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今年のカンヌ映画祭の要チェック! ニコール・キッドマン&コリン・ファレル [with]

6/14(水) 12:02配信

講談社 JOSEISHI.NET

先週、閉幕したカンヌ映画祭、日本では木村拓哉さん主演『無限の住人』のレッドカーペットや、永瀬正敏さん主演の『幻の光』の長いスタンディングオベーションが話題となっていましたねー。私、実は今年はカンヌ映画祭に初めて足を運んだのですが、その華やかさに驚かされました。

何しろ「ソワレ」と呼ばれるメイン劇場でのレッドカーペット付きの夜の上映は、一般客(と言っても招待客ですが)も正装していないと入れません。マスコミもドレス来てないと入場を断られちゃったりします。なので、ただでさえ美しい海辺の町が、夕方にもなるとドレスやタキシードの人であふれかえり、そりゃもう完璧な非日常でした~。

映画祭ですごく面白かったのは、メイン部門「コンペティション」にノミネートされた2本が、ニコール・キッドマンとコリン・ファレルという同じ顔合わせで、異なる賞を受賞したこと。1本は監督賞のソフィア・コッポラ監督作品『Beguild』。南北戦争時代のアメリカで、森の奥に隠れ住んだ女子だけの学校に傷ついた兵士が転がり込み、やがてその愛とセックスを巡る異様な事態が巻き起こる……という恐ろしいサスペンス。ニコールは校長役、コリンは兵士役です。

もう1本は脚本賞のヨルゴス・ランティモス監督作品『the killing of the sacred deer』。奇妙な少年との出会いをきっかけに、崩壊へと導かれてゆくある一家を描いた不条理劇。ふたりは娘と息子がいる夫婦を演じています。この映画を見て何がすごいって、この二人がまったく違うことにめちゃめちゃビックリします。ニコールは、お堅い女風でいながら後半は血まみれの“校長ニコール”に対し、“母親ニコール”は一家の崩壊を身を捨てて止めようとする、作品で唯一まともな、ものすごーく泣かせる役です。

一方コリンは、“兵士コリン”がそのイケメンぶりで女子たちを弄んだかと思ったら、 “父親コリン”はヒゲ面&メタボ腹で、そのビジュアルからして全然違う上に、妙なテンションで変な笑いを振りまく変人ぶり。ハリウッドのトップスターにもかかわらず、年を重ねてなお作家性の強い監督の作品で挑戦をし続けているふたり、ほんとにすごいなーと思います。

『Beguild』は日本での公開がすでに決定していますが、『the killing of the sacred deer』もおそらくどこか配給するんじゃないかなーと思います。どっちもサスペンスでどっちもすごく怖くてすごく面白いので、ぜひ楽しみに公開をお待ちくださいね~。

文/渥美志保