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【テレビの開拓者たち / 藤井健太郎】「水曜日のダウンタウン」演出家が語る“攻めてる番組”のつくり方

6/15(木) 22:00配信

ザテレビジョン

「水曜日のダウンタウン」をはじめ、熱狂的なファンを擁するバラエティー番組の数々を世に送り出しているTBSの藤井健太郎氏。常に挑戦的な番組づくりを続ける彼の原点とテレビメディアの未来について語ってもらった。

芸能人たちが、自身が信じ込んでいる“説”を独自の目線と切り口でプレゼンする「水曜日のダウンタウン」。番組DVDも好評を博している

■ 自分の好きなものと対世間との“接地面”を考えていくことが今後の課題

――藤井さんは、子供のころからテレビ好きだったんでしょうか?

「“お笑いマニア”とかではないですが、バラエティーとか笑いがあるものが好きでした。『ダウンタウンのごっつええ感じ』('91~'97年フジ系)や、『進め!電波少年』('92~'98年日本テレビ系)とかを見ていましたね。その中でも、『電波少年』は番組を作る裏方を意識したきっかけかもしれません。映っている人ではなく、中身を考えている人が面白いんだなと。この番組に関しては、出演者は何かをやらされる側で、それを仕掛けているのはテレビの向こう側の人たち、という構図がはっきり打ち出されていましたから」

――となると、やはりバラエティーを作りたくてテレビ局を希望したのですか?

「最初は絶対ということでもなかったんです。もともと、エンターテインメント的なものには幅広く興味があったので。TBSに入社した後も、報道はさすがに考えていませんでしたが、ドラマもスポーツもいいなぁ~と思っていましたし。結果、バラエティーの部署に配属になってうれしかったですけどね」

――入社1年目で出された企画が採用されたそうですね。

「若手を対象にした企画募集で、何も分からずに出したら通った、という感じです。それが、『限度ヲ知レ』('04年TBS系)という番組でした。世の中のどこまでが許容される限度なのか、実際に体を張って調べるというものです。“ペット入店可の店はどんなペットまでOKなのか?”とか。この番組を作ったことによって、自分にはやりたいことがあるな、と気づきました。その当時から、自分の好きなポイントというのはあまり変わっていない気がします。今やっている『水曜日のダウンタウン』ともちょっとテイストが似ている気がしますし」

――藤井さんの作られている番組といえば、“攻めてる”という言葉で表現されることも多いと思うのですが、その点はどう感じてらっしゃいますか?

「“攻めている”というつもりはないんですが、最初の番組を作ったときも、ネット上での評判は良かったので、刺激を求めるような人との相性は良いんだなとは思いました。ただ、僕自身は “攻めてやろう”なんて別に考えてなくて。あくまでも、好きなことを追求していったらそういう風に見られがちだというだけ。自分が面白いと思うものの趣味が“そっち”寄りなんでしょうね(笑)。自分の好きなものと対世間との接地面みたいなものを考えていくことが今後の課題だと思っています。ただ、作り手の好きなものや作りたいものは絶対に必要。順番としては、好きなものを作っていく中で世間との折り合いをつける、というのがいい気がします。僕の好みや特徴的な部分を失わず、幅広い人に刺さるようなものをバランスよく作りたいですね」

■ 誰かしらに強く好かれるものを作ることも大事なのかなと

――ダウンタウンの番組を見て育ったとおっしゃっていましたが、「水曜日のダウンタウン」でご一緒するときはどのような気持ちでしたか?

「『リンカーン』('05~'13年TBS系)がスタートしたとき、チーフADとして番組にシフトされたのですが、そのときは不思議な気持ちがありましたね。当初、スタジオではカンペ出しを担当していたので、浜田(雅功)さんから洗礼を受けたというか(笑)。ダウンタウンさんは、“長時間カメラを回して、あとは編集で良いところを使って”というタイプではなくて、生放送のようにスタジオ収録を進行されるので、台本に書かれている展開があっても、その前にきっちり笑いが生まれてオチていたら、そこで終わり。当時はそういった判断がつかなかったんで、注意されながら学んでいきましたね」

――「注意される」といえば、これまで番組を作ってきて、局から怒られたこともあったかと思うのですが…。

「そんなにムチャなことはしていないんですけどね。社内で確認は取っているので、ダメだと言われたものはちゃんとやめています。誰かに怒られるようなことはもちろんよくないんですけど、一方で好きなものをやっていかないと意味がないので、その辺の折り合いは考えていかないとですよね」

――今や、テレビで個性を出すのが難しくなってきている時代だと思いますが、これからのテレビ界はどうなっていくと思われますか?

「あまり考えたことはないですが、なくなりはしないと思うし、僕らはちゃんと面白いものを作っていくしかないんじゃないでしょうかね。趣味が多様化してきて、音楽なんかでもメジャーヒットはなかなか生まれにくい時代になってきていますが、面白い音楽もたくさんあるし、人それぞれ好きな音楽があるので。テレビも同じように、誰かしらに強く好かれるものを作ることも大事なことのひとつかな、と。ただ、ある程度このやり方で来てしまったので、今さら違うこともできないと思います。それが時代に合わなくなったら、そのときに考えます(笑)」

最終更新:6/15(木) 22:00
ザテレビジョン

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