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「引き出す」関係から「一緒に考える」関係へ

6/15(木) 15:50配信

コーチ・エィ

ロジカルシンキングに代表される欧米型の考え方が日本に浸透し、効率良く問題を解決することが提唱されるようになりました。また、ITやSNSの飛躍的な発達により、圧倒的なスピードをもって、合理的に判断することができるようになりました。

組織の中のコミュニケーションは、10年前とは様変わりしたことを、皆さんもお感じになっていることでしょう。

確かに便利にはなりましたが、その一方で、社員一人ひとりがどのように物事を捉え、どのように思い考察したかのプロセスや、そのときにどう感じたのかという情報は置き去りにされてしまっているように思います。

置き去りにされた情報はどこにあるのか?

ハーバード・ビジネス・レビューに興味深い論文がありました。

コーネル大学の教授ジェームズ R. ディタートとテキサス大学の准教授イーサン R. バリスは、「マネジャーとしてどれだけオープンな姿勢を心がけたとしても、部下の多くは仕事上の取り組みに疑問を投げかけたり、新しいアイディアを出したりするより、黙っている可能性が高い」と述べ、またその理由を、「『恐れ』ではなく、どうせ取り合ってもらえないだろうという『諦め』である」と述べています。

現場の声や社員一人ひとりの考えや感情といった情報は、リーダーが成果をあげるだけでなく、業務改善やイノベーションを起こしていく上で、実は大きな影響およぼす「変数」です。

しかし、事実や数字などの目に見える情報に比べると、圧倒的に表に出る機会がないまま、個人の胸のうちや組織の奥底に眠ったまま、なおざりにされてしまう時代なのかもしれません。

私のエグゼクティブ・コーチングのクライアントは、「ある行動」を増やしたことで、組織に眠っていた個人の考えや感情などの情報が、手に取るほどわかるようになったと言います。

それはどのような行動だったのでしょうか?

「一緒に考える」の関係へ

コーチングと聞くと、多くの方が「引き出す」というキーワードを連想されるようです。確かにコーチ・エィでも、過去にはこの「引き出す」という言葉をよく使っていました。

しかし現在は、コーチングを「二人の間に問いを置いて、その問いを共有し、一緒に考えるプロセス」と捉えています。

先述のクライアントは、この「一緒に考える」時間を増やしたのでした。

「一緒に考える」とは、「問いを共有し、それについて対話する」こと。評価する側とされる側になったり、質問する側とされる側になったりすることなく、対等の関係で、そして、両者が当事者になって対話をすることです。

「その問題はなぜ起こったのだろうか?」ではなく、「私たちは、その問題に対してどのように一緒に取り組んでいけるだろうか?」といった問いを共有します。そこには正解も不正解もなく、お互いのアイディアや不確かな意見、感情をぶつけ合いながら、全く新しいアイディアや情報に昇華させていくのです。

「一緒に考える」には、双方が等身大になり、結果的に互いの考えや感情を正直に話すことができる効果があるのでしょう。

ところが、先に述べたように、現代の組織のコミュニケーションのあり方からすると、個人の思いや考えを話せる機会は生まれにくく、リーダーが意図的にその場、機会を生み出していく必要があります。

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最終更新:6/15(木) 15:50
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