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FRBのイエレン議長の記者会見-Policy Normalization

6/15(木) 9:10配信

NRI研究員の時事解説

はじめに

今回のFOMCに関しては、利上げの決定自体よりも、足許の景気指標や物価が軟化する中で、今後の利上げに向けた考え方に何らかの変化が生ずるかどうかに注目が集まっていた。加えて、かねて年内の開始が示唆されていた再投資政策の見直しについても、どこまで具体案が示されるかが焦点であった訳である。これらの点を中心に、FOMCの声明文や参考資料を参照しつつ、いつものように記者会見の内容を検討したい。

金融経済情勢の判断

実は、今回の声明文は足許での景気や物価の軟調さを率直に認めている。つまり、本年入り後の経済活動の拡大が緩やかであると総括した上で、デュアルマンデートの双方の柱について、雇用の拡大が堅調だが減速したことや、インフレ率が最近低下したことに言及している(第1パラグラフ)。特に、インフレ率に関しては、短期的には2%を幾分下回る形で推移するとの見通しも示している(第2パラグラフ)。このため、記者会見でも景気や物価の見通しを改めて質す趣旨の質問が目立った。

しかし、イエレン議長は、インフレ率の減速が春の特殊要因-具体的には携帯電話の通信料引下げと処方箋薬の価格低下を挙げた-によって生じた面が大きいと指摘するとともに、既にタイト化している労働市場の改善が更に進むことで、賃金を通じた圧力も加わるとして、2%目標に向けた動きは継続するとの見方を示した。実際、声明文でも、中期的にはインフレ率が2%付近で安定するとの見方が維持されている(第2パラグラフ)。

こうした議論を反映する形で、今回公表された景気や物価の見通し(SEP)も、基調的には前回(3月)から変化していない。実質GDP成長率の2017~19年の見通しは、2.2%→2.1%→1.9%とされ、2017年がむしろ0.1%ポイント上方修正されただけで、他は前回と変わっていない。一方、PCEコアインフレ率については、2017年が前回(3月)の1.9%から今回は1.7%に下方修正されたが、2018~19年はともに2%のまま維持された。

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