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成田凌、視聴者を見事に騙す演技力 『逃げ恥』&『ひとパー』のどんでん返しを考察

6/15(木) 6:00配信

リアルサウンド

 4月期ドラマが続々と最終回を迎え始めた。ほっこり系のドラマかと思われていた『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ)が、最終回目前となった前回のラストで大どんでん返しを仕掛け、驚きの展開を見せている。物語を急展開させたのはヒロインの相手役を演じる成田凌。大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS、以下逃げ恥)でも、アッと言わせる展開を担っていた成田の魅力に迫りたい。

『人は見た目が100パーセント』成田凌 写真

 成田は1993年生まれの現在23歳。13年から雑誌『MEN’S NON-NO』(集英社)のモデルとして活動を開始したが、もともと俳優志望だったといい、翌年にはフジテレビNEXTのドラマ『FLASHBACK』で俳優デビューを飾る。高梨臨とのW主演だった。順調に『学校のカイダン』(日本テレビ)、『She』(フジテレビ)、『ブスと野獣』(フジテレビ)などでキャリアを積んでいき、2016年には早くも人気俳優として認知されるようになる。

 空前のヒットとなった劇場アニメの『君の名は。』では、ヒロインの三葉(声:上白石萌音)を秘かに想う気のいい青年・勅使河原の声をあて、神木隆之介をはじめとした実力派ボイスキャストらの中でも、まったく埋もれることのない好演を見せた。実写映画ではAcid Black Cherryのアルバムから着想し、波乱に満ちた女性を広瀬アリスが体当たりで演じた『Lーエルー』に出演。あまりに実直だったために、結局エルを幸せにできなかった男性を静かな炎で演じきった。同作の撮影は、高畑裕太の代役として急きょ参加が決まるという時間のない中で行われたが、成田は実際にパン作りの修行をして役に臨んだ。

 昨年の活躍で外せないのが、大きな話題を集めたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(以下、逃げ恥)だ。新垣結衣と星野源を主演に「結婚とは?」と投げかけた本作で、成田は石田ゆり子演じる土屋百合の部下の梅原として登場。若い社員にも関わらず、妙な余裕があり、本心がどこにあるのかつかめない梅原を飄々と演じきった。中盤では、百合のことが好きなのか? と思わせる部分もあったが、実は百合への思いは憧れで、ゲイだったという驚きの展開も、「ええー、強引すぎない?」とはならず、「そうだったのか!」と納得させるものに。成田自身の持つ、どこか得体のしれなさを持ち合わせた笑顔と、俳優デビューから数年ながら、きっちり自分のものにしている落ち着いたセリフ回しが非常にうまく作用した。

 今年に入ると、映画『キセキ ーあの日のソビトー』で音楽グループGReeeeNの92をモデルとしたクニを長髪に無精ひげで男臭く、かつ軽やかに演じ、『逃げ恥』の梅原とは全く別人になり切った。そして現在の『人は見た目が100パーセント』(以下、人パー)。桐谷美玲が演じる恋に奥手な主人公・城之内純が好きになるイケメン美容師の榊役だ。いくら恋愛経験ゼロといってもそれはないだろうという純の行動にも、常に優しい笑顔で対応する榊。その姿は、限りない包容力に満ちているようだった。

 ただし、“告白前キス”として話題になった突然のキスには、榊はやけに自分に自信があるんだなと違和感を覚える部分もあった。とはいえ、純の想いは周囲にバレバレだったしと、違和感を打ち消そうと思っていたところでの、急展開。実は榊にはもうひとり彼女がおり、さらにそのことを純に隠すどころか、「彼女のことも、城之内さんのことも好きだよ」と躊躇なく言ってのける。「ふたりとも僕の彼女だよ」と。ここでの榊のニッコリスマイルはサイコキラーばりの怖さがあった。

 『逃げ恥』『人パー』と連続で視聴者を見事に騙してみせた成田。右にも左にも転ぶ、飄々としたオーラは彼の最大の武器だ。どんなジャンルのどんな役でも飄々と、成田らしく渡っていくだろう姿に、存分に騙されたい。

望月ふみ

最終更新:6/15(木) 6:00
リアルサウンド