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巨人は本当に勝とうとしているのか? 三軍と比較してみる

6/15(木) 12:20配信

Wedge

 巨人が13連敗を喫し、長嶋茂雄監督就任1年目の1975年以来、42年ぶりに球団ワースト記録を更新した。これは1934年の球団創立以来84年目にして最悪の数字。要するに巨人はいま、史上“最弱”の状態にあると言ってもいい。試合に負けるたび、「全員が一丸となってやるしかない」「みんな何とかしようとしている」と絞り出す高橋由伸監督の言葉も悲壮感を帯びている。

 しかし、本当に「何とかしようとしている」のだろうか。それにしてはいつも相手打者に簡単に打たれ、相手バッテリーにあっさりと抑えられてはいないか。石にかじりついてでも1勝をもぎ取ろう、いまからでもAクラスに浮上し、首位を奪い返そうと考えているのなら、もっと違った戦い方ができるはずだ。

 高橋監督体制に変わった昨年以降、巨人の選手はめっきり走らなくなった。塁に出ても次打者のヒットを待っていることがほとんどで、リードを大きく取って相手バッテリーを揺さぶろうともしない。実際、今季のチーム盗塁数は僅か25個(6月11日現在。数字は以下同)。これは首位・広島の51個の約半分で、もっかパ・リーグの盗塁王、西武・源田壮亮ひとりの17個と8個しか変わらない。

 昨季のチーム盗塁数も62個でセ・リーグ4位だった。足を使える選手がいないわけではない。現に、前任者・原辰徳の第2次監督時代は06年からの在任10年間で80個以上のシーズンが7回、100個以上が3回もある。最高が優勝した12年と14年の102個だ。

 巨人はほんの2年前まで、FAや外国人の補強戦力に頼るだけでなく、機動力で相手の足下をすくういやらしさも兼ね備えていたのだ。こういう数字だけ比較してみても、いまの由伸巨人が“打つだけ”の淡泊なチームに変わってしまったかがよくわかるだろう。

 こうなった最大の原因はやはり、高橋監督のチーム・マネジメントの失敗にある。球団の事情や親会社の要望により、急遽現役選手を引退して監督に就任した15年のシーズンオフ、初仕事となった宮崎での秋季キャンプで、高橋監督は「個人技のレベルアップ」を打ち出した。つまり、打者は打ち込み、投手も投げ込み(及び走り込み)とひたすら個人練習に邁進。チーム全体の守備や走塁の練習にはほとんど時間を割いていない。

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最終更新:6/15(木) 12:20
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