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ベルギー戦で試された「なでしこの3バック」で見えてきたもの

6/15(木) 11:41配信

webスポルティーバ

 オランダ戦から中3日で、初対戦となるベルギー戦に臨んだ「なでしこジャパン」は、後半に先制しながらもすぐさま追いつかれ、1-1の痛み分けとなった。

【写真】肉体改造中のなでしこエース達

 まだ修正点はあるものの、オランダ戦で一定の守備の軸が見えた高倉麻子監督は、ベルギー入りしてから「ずっと試したかった」(高倉監督)という新たな取り組みに着手していた。3バックシステムである。

 ベルギーでの最初のトレーニングでそれは試された。4-4-2に慣れ親しんだ選手たちは、ピッチのあらゆるところで迷子になり、紅白戦でも穴を突かれて失点。特に守備においては、かなり手こずっていた。だが、それぞれ複雑な表情で終えた練習後に、日本は本領を発揮する。ミーティングで選手たちは詳細を確認、動きの意図と修正点をそれぞれのポジションで話し合った結果、翌日のトレーニングでは、前日には見られなかった流れが生まれていた。これが実戦でどう出るか、期待と不安が入り混じる中で迎えたベルギー戦だった。

 右から高木ひかり(ノジマステラ)、熊谷紗季(オリンピックリヨン)、市瀬菜々(ベガルタ仙台L)の3バック。中盤にはオランダ戦では左に入っていた中島依美(INAC神戸)が右サイド、阪口夢穂、中里優(ともに日テレ・ベレーザ)のボランチに、左サイドが杉田亜未(伊賀FC)。3トップのシャドウに長谷川唯(日テレ・ベレーザ)、横山久美(AC長野L)と田中美南(日テレ・ベレーザ)が前線についた。

 試合の立ち上がり、日本の4バックを想定していたベルギーは、中盤で数的優位に立ち、目まぐるしくボールを回していく日本に翻弄されていた。8分、DF裏へ狙いすました熊谷のロングフィードを阪口が頭でつなぎ、横山がミートさせたシュートはクロスバーを叩く。だが結果的には、この一連の流れが前半で最もキレのあった縦ラインの攻撃となり、守備を固め始めたベルギーを前に、徐々に前線にボールが入らなくなっていく。

 それでも、3バックの強みである中盤の厚みは攻撃に勢いをつけていた。最終ラインで攻撃起点を作り、阪口がスイッチを入れる。前線では田中が常に相手の背後を取る動きを見せ、横山は身長差のあるCBの足元で勝負しようとしていた。長谷川はいつものように縦横無尽に駆け回り、そこへ両サイドと中里らが絡みボールを回していく。

 中でもいい動きを見せていたのが、左サイドのウィングを担った杉田だ。慣れないスライドと、アップダウンの動きの中でも、受け身に回らないよう「先手を取りたい」という意識で挑んだ。守備では逆サイドを伺いながら時には最終ラインまで戻り、市瀬とサンドでボールを奪取。課題の攻撃では、熊谷からのロングフィードを足元にピタリを受け止め、そのまま前線にまで顔を出す。

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