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会社四季報・石川正樹編集長に聞く「夏号」での発見

6/15(木) 7:01配信

会社四季報オンライン

 いよいよ6月16日に発売となる会社四季報の「夏号」。全2032ページの編集を終えた石川正樹編集長に、「夏号」の発見や見どころを聞いた。

 ――「夏号」は、上場企業の約7割を占める3月期決算企業の期初予想をベースに記者が取材・執筆しています。今期の企業業績の全体見通しはどうですか。

 ゲラを読んでいるかぎり、非常に強いという印象を持ちました。増益見通しを発表している会社が多く、さらにその見通しを記者が引き上げているケースが多い。

 理由の一つとして為替の影響が挙げられるでしょう。前年度はドル/円相場が大きく動いたためわかりにくいですが、平均して1ドル=108円程度でした。「夏号」で今年度の四季報予想を組み立てる前提は1ドル=110円としています。円安の分は、輸出産業には増益要因となります。

 今期(2017年4月期~18年3月期、対象3237社)の営業益見通しは製造業が前期比10.9%増となっています。前期は同7.7%減で着地しましたから今期は回復にむかうことになります。

 ――非製造業はどうでしょうか。

 非製造業は前期4.7%増で着地、今期も4.9%増見通しと堅調です。今期、非製造業を牽引するのは小売業です。前期は「爆買い」の沈静化で停滞しましたが、今期はインバウンド消費も底を入れて恩恵を受けます。かつて小売業の業績を見る際、内需関連として為替の影響はほとんど考慮されていませんでした。しかし、最近は人民元相場の影響を受けやすくなっていると感じています。15年夏から16年秋にかけ、円に対して人民元安が進みました。そのトレンドが変化したことも小売りが良くなる理由の一つかもしれません。

 ――ほかに業種別に見て好調なのはどこでしょうか。

 銀行、保険を除く31業種の中で、今期の営業利益が増益予想になっているのは23業種です(黒字転換を含む)。うち増益率が2ケタなのは7業種で、電気機器、鉄鋼、その他金融業の伸びが目立ちます。ただこの3業種は前期は営業減益でしたので、そこから回復しているともとれます。また個別銘柄によって事情は異なります。ちなみに営業減益率の見通しが2ケタと大きいのが精密機器、石油・石炭の2業種となっています。

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