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暴露の前川前次官、「守秘義務違反」で逮捕の可能性は

6/15(木) 5:58配信

デイリー新潮

「総理のご意向文書」を白日の下に晒した張本人と見られている、前川・前文科事務次官。挙げ句、守秘義務違反に問われることを怖れ、記者会見の場では弁護士同伴の厳重警戒態勢を取った。安倍政権の反撃に遭い、逮捕されることもあるのか。

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「文科省のなかで作成され、幹部の間で共有された文書で間違いない」

 5月25日、東京・霞が関の弁護士会館に設けられた記者会見場で、前川前次官は姿を見せるなり、そう切り出した。

 朝日新聞などが報じた、A4判8枚にのぼる「総理のご意向文書」。菅官房長官から「全く怪文書みたいな文書」とこき下ろされたことに対する反論に打って出たのだ。

「ただ、前川さんは文書を本物だとは認めても、リークしたのが自分だとは明らかにしなかった」

 とは、政治部記者である。

「一方、安倍官邸は、前川さんが犯人だと確信を持っています。だからこそ、“出会い系バー”通いを読売新聞に書かせ、口封じをしようとした。でも、前川さんはそれ以降もメディアに出続けました。そのうえ、和泉洋人首相補佐官や木曽功元内閣官房参与から直々に圧力をかけられたと、文書にないことまで暴露し始めた。そのため、安倍総理側近の萩生田光一官房副長官などは、“明確な守秘義務違反じゃないか。国家公務員法違反に問えないのか!”と、怒り心頭です」

■実質秘

 実際、前川前次官は守秘義務違反に問われることはないのか。

 元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏に聞くと、

「前川さんがリークした8枚の文書は、官僚の目からすれば秘密度も高い公文書で、外部に流出することを想定したものではない。ですから、当然、前川さんは守秘義務違反に問われる可能性が出てきます」

 そもそも、記者会見に弁護士を伴っていたのは、前川前次官自身に後ろめたい気持ちがあった証拠ではないかという。

「読売の記者が“在職中の資料を明かすのは、守秘義務違反では?”と前川さんに質問すると、代わりに弁護士が“ノーコメント”としか応じられなかった。結局、潔白であると胸を張れる話ではないからです」(同)

 守秘義務によって保護されるべき秘密には、形式秘と実質秘の2つがある。

「形式秘はマル秘の判が押してあるもの。実質秘は、マル秘の判がなくとも、内容的に秘密にしなければならないものです。前川さんのリークした文書やメディアの取材に話している内容は実質秘に当たるのではないでしょうか。しかし、返り血を浴びる覚悟で文科省が前川さんを告発するとは思えない。ただ、熱烈な安倍応援団のような市民団体が東京地検などの捜査機関に告発すれば、前川さんは立件されることになるかもしれません」(同)

 忖度政治の中枢にいる権力者を相手にケンカをすれば、タダでは済まないというわけなのだ。

特集「『安倍総理』を辞任させたい『麻生太郎』!」より

「週刊新潮」2017年6月15日号 掲載

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最終更新:6/15(木) 5:58
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