ここから本文です

千原ジュニアが注目!? オモシロ事件に巻き込まれる「星の元に生まれた」ド底辺芸人の自宅を緊急ガサ入れ調査

6/15(木) 16:00配信

週刊SPA!

 40歳、月給1万7千円、妻と子どもに逃げられたド底辺芸人、ツーナッカン・中本幸一。こんな彼にも光り輝く才能を見出そうと、電マ(電動ママチャリ)で取材に向かったのだが、出てくるのはクズ・エピソードばかり。子どもがいるのに「浮気した」だ、M-1も毎回3回戦落ちながら、嫁には「9年連続で準決勝まで行ってる」とウソをつき続けているという、クズっぷり。しかし、彼には才能があったのだ。あの千原ジュニアをして「そういう星の元」と言わしめたほどの、“オモシロ事件が降りかかる天才”だったのだ。さあこの才能を発揮して、クズ芸人・ド底辺芸人の汚名返上なるか!? 中本幸一編、怒涛の最終回!

⇒【写真】中本幸一のアパートにガサ入れ

◆電マライター・村橋ゴローの東京ぶらりんこ旅 【第15回】千原ジュニアが注目!?  オモシロ事件に巻き込まれる「星の元に生まれた」ド底辺芸人の自宅を緊急ガサ入れ調査!

中本幸一(以下、中本):ゴローさん、俺はどうやったら売れるんじゃ!? 四十で嫁と子どもに逃げられた、吉本からの給料は1万7千円! 売れて、一発逆転したいんじゃっ!!

――でも、ネタは書きたくないんだろ?

中本:あんなもん書かん! 書いてもウケないんやから、ムダや!

――クズだな……。

中本:クズやない、天才や! お前が、俺の才能を見いだせ!

――天才……確かにお前は天才かもしれない。そうだ、お前は“オモシロ災難”が降りかかる天才だったじゃないか!「なんで、そんなことになるんだよ」という災難が降りかかる体質というか、ある種、芸人なら誰もが憧れる“引き”を持ってるのがお前だよ! お前が世話になってる千原ジュニアさんも、一時お前のエピソードトークをたくさんしてたじゃないか。「こんな後輩がおりまして~」って。

中本:それは、トークの天才・ジュニアさんが喋るからウケるのであって、俺はトークが下手なんですよ。何せ、芸人のあいだでは“粗く喋るでおなじみの”中本で通ってますから。ジュニアさんという敏腕構成作家の手にかからないと、俺は活きないんですよ。

――先輩をつかまえて、何ちゅう(笑)。あれ、聞かせてよ。牛丼の話。

中本:あれですか? ある日の昼間、チャリで牛丼を買いに行ったんですよ。寝起きだったもので、スゲー汚い格好をしてたんです。で、牛丼を買って、飲み物も買いたいと思ったので、チャリのカゴに牛丼を置いて、それでコンビニに入って。すると俺のチャリに、ひとりのホームレスが近寄ってきたのが、コンビニ店内から見えたんです。するとそのホームレス、カゴの中の牛丼を盗って、バーッて走り去ったんですよ。

――ヤバイじゃん。

中本:だから僕は急いでコンビニから出て、そいつを追っかけたんです。それで「返せ! それは俺のだ!」って言ったら、そのホームレスが「ワシが先に見つけたんじゃー!」って言い返してきたんです。俺、スゲー汚い格好だったから仲間だと思われたんですよ!

――仲間(笑)。

中本:それでよく見たら、そいつ、真っ黒な手で牛丼を抱えてるわけですよ。それ見たら食欲なくなって「じゃあ、やるよ!」って、あげたんです。それでパッと振り返ったら、今度は他のホームレスが俺のチャリをパクって、ダーー逃げていったんです。牛丼盗られるわ、チャリをパクられるわ、最悪でしたよ。

――ほんと、なんでそんなことになるんだよ(笑)。ジュニアさんも言ってたけど、お前は「そういう星の元に生まれた」としか言いようのないエピソードが、いっぱいあるじゃないか!

中本:でも今は毎日バイトばっかりで、そんなエピソードも生まれないんですよ。嫁は子どもを人質にして生活費30万を要求してくる。そのためには清掃の重労働を朝から晩までやらなアカン。そうすると芸の肥やしとなるエピソードも生まれない。八方ふさがりですよ!

――だからここで、エピソード・キングであることをアピールしないと!

中本:じゃあ、竹内力さんとの話をしますね。

――あの俳優の竹内力さん?

中本:そうです。僕が学生のころ、地元・広島のショッピング・モールに竹内力さんがトークショーをしに来られたので、観に行ったんです。それで竹内さんのトークショーが終わって、楽屋に戻られるときでした。数百人が「竹内力ー!」と叫んでいるなか、竹内さんはなぜか僕の前で足を止め、「お前、いいな。やりたいことはやったほうがいいぞ。お前とは、いつか会えそうな気がする」って、僕に向かって言ったんですよ。

――それ、凄いじゃん!

中本:そうなんですよ。僕、ビックリしちゃって「なんで俺に!?」って。そのころ、芸人になろうかどうか迷ってた時期だったので、そのひと言に後押しされて芸人になったんです。

――へ~~。

中本:……という話をジュニアさんたちとメシ食いながら、披露したんです。みんな「スゲーなー」とか言ってくれて。その瞬間でした。そのメシ屋のドアが開くと、そこに現れたのが何と竹内力さんだったんです! 話してみたら、その広島での出来事は覚えていなかったのですが、握手をしてもらいました。

――凄い引きだよなー、その話。やっぱりお前、持ってるんだよ! 最近のやつで何かないの?

中本:ある過酷なロケに呼ばれたんですよ。富士山の麓にある『管理者養成学校』に5日間のロケだって。参加者同士が否定し合ったり、泣いて自己反省したりする、いわゆる軽い洗脳ですよね。それのロケに行ったんです。でも「ロケに行ってこい」と会社に言われたのが、ロケの前日。明らかに誰かの替わりですよね?「誰の替わりで俺になったんだろう?」って気になったので、ディレクターさんに聞いてみたんです。

――誰のかわりだったの?

中本:河合我聞さん。

――河合我聞さんの類似タレントは、中本だったのか(笑)。お前、ラーメンとか作れたっけ?

中本:いや、作れないっす。この話、面白くないですか?

――面白いけど、ネタが弱い(笑)。バイトばっかりでエピソードも生まれないっていうけど、何かあるだろ、オモシロ話が。

中本:じゃあ、とっておきのネタを喋りますよ。僕、吉本からの給料が1万7千円だって言いましたけど、下には下がいて。後輩で、給料が2円ってヤツがいるんですよ。そいつと飲みに行ったとき、俺の給料を聞かれたんで答えたら、「え!? 中本さん、1万7千円ももらってるんですか? どんなに仕事したら、そんなにもらえるんですか! 凄いっすね、もう売れちゃうんじゃないですか!」って。そんなこと言われたら、僕も気持ちよくなって「今日は飲め!」って、全部奢ってやったんです。ね、地獄でしょ。

――地獄だな(笑)。ていうか、話のスケールが小さすぎるよ!

中本:じゃあもう、わからん!

――ダメだ、ラチがあかん。お前の家、行こうよ。

中本:だからそれはダメだって! 家での取材はNGなんですって!

――お前、一流タレントみたいなこと言ってんじゃねえよ!

中本:誰が一流じゃ! 五流じゃ!

――五流タレントさんに謝れ。

中本:お前は鬼かっ! いや、ゴローさん、家はマズイですって。子どもの服とかオモチャとか転がってますから、思い出してしまいますもん。寂しすぎですよ。

――もうそこら辺も見せていかないと、ネタにしていかないと。「家はイヤ」とか言ってる余裕ないだろ、実際。

中本:いや、アンタは家でムチャしよる。そういう人じゃ!

――実はな、中本。「家まで行ってこい」というのは編集長命令なんだよ。「家での取材が取れなかったら、この企画自体お蔵入りだ」って言われてて……(大ウソ)。

中本:マジっすか……ゴローさんも雇われライターですもんね。わかりました、行きましょう。でもマジで家でムチャしないでくださいよ!

――ありがとう!(バーカ、バーカ)

◆嫁と子どもが去った中本の自宅へ…

 さて、ここからタクシーで約10分移動して、中本の住むアパートへ。そしてここまで中本と僕はハイボールを7~8杯は飲んでおり、かなりのベロベロ状態。特に僕は、中本の「ムチャしないでよ」という言葉が、芸人特有の“フリ”にしか聞こえておらず……。とにもかくにも深夜12時、閑静な住宅街にひっそりとたたずむそのアパートに着いたのであった。

中本:はい、着きましたよ。夜も遅いですし、騒いだりしないでくださいよ。

――ここに半年前まで、かわいい奥さんとチビちゃんがいたってワケか。

中本:思い出させるな。

――おじゃましまーす。

中本:おい、ゴロー! クツ脱げや!

――え? ここゴミ屋敷なんじゃないの?

中本:ちょっと散らかってるだけで、ゴミ屋敷じゃねーわ!

――リビングに座らせてもらうよ。

中本:どうぞ。

――ちょっと飲み直そうよ。中本、お酒ちょうだい。

中本:ハイボールでいいっすか?(と、ビンのウイスキーと炭酸水を持ってくる)

――コップは? これ使っていい?

中本:それ、子どものコップだわ! それで酒飲むの、やめろ!

――(ドボドボドボ~と注ぐ)

中本:やめろや! しかも溢れて、テーブル、びちゃびちゃやないか!

――ごめんごめん、疲れ目で遠近感が……。

中本:だからムチャするなって! 大体、ウイスキーは1日ビン1センチ分だけ飲むって決めてるのに、ドボドボこぼしやがって! 金、出せや!

――くれてやるわ!(と千円札を投げつける)

中本:撮るもん撮ったら、さっさと帰ってくださいよ!

――あ、これベビーベッド?

中本:そうですよ。下の子が嫁のお腹にいるまま広島に逃げられたので、実際には使ってないですけど……。

――悲しいな……でもなんでだろう? 酒がすすむわ。

中本:鬼畜か、マジで!!

――しかし静かなところだな。

中本:だから騒がないでくださいよ。大家さんは隣りなんだし、凄くよくしてくれてるんだから。

――ちょっと窓、開けていい?

中本:じっとしててくださいよ!

――(窓を開け、大声で隣りの大家さん宅に向けて)あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!

中本:何してんだよ、ゴロー! 気でも狂ったんか!

――ごめん、やっちゃいけないことやりたくなる病気が出ちゃって。

中本:マジで早く帰れや!

――あれ? 子どもの服が干してあるけど、出てった半年前から畳んでないの?

中本:……。

――ねえってば。

中本:演出だよ。

――はあっ?

中本:だからどうせゴローさんたち家に来るだろうと思って、たんすの中から引っ張り出して干しといたんだよ!

――はあああっ!? だったら、お前の「家に来るな」のフリはキツすぎるわ。もし俺らが諦めて帰ってたら、どうしたんだよ?

中本:それは困る! 子どもの服とか仕込んだぶん、ひとりで帰ってきてたら寂しすぎるだろがっ!

――気ぃ狂ってんの、お前のほうだわ(笑)。

中本:だから、ありがとう! もっとムチャクチャしてくれ! 俺はNGなし芸人じゃ!

――余計やりづらいわ!

(その後、酔っぱらったゴローのガサ入れが続く…)

――もういい、テレビ見よう。

中本:俺への興味をなくすな! 取材しろ!

――もういいから、テレビ見ようよ。

中本:テレビは見とうない! 売れてる芸人を見ると、死ぬほど落ち込むんじゃ!

――そうか。テレビは悪魔か?

中本:悪魔じゃ!

――よし、こうしてやる!(と、リモコンにケチャップをドボドボドボ~)

中本:それはやったらアカンやつやぞ! バカか、お前は!

――うるせえ、クズが!

中本:お前がクズじゃ!

――ゴメン、中本、これ……面白いか? 読者に伝わってるかな?

中本:ここまでムチャしといて、急に冷静になるな!

――いや、中本も頑張ってこのミニコントに付き合ってくれてるけど、誰も知らない四十の芸人と、誰も知らない四十四のライターのこのノリ、面白いか?

中本:確かにそう言われたら……。でもリモコンケチャップ、ありがとうございます……これで少しは俺、おいしくなりましたかね?

――それは最後まで、客席に見せちゃダメなやつだぞ(笑)。中本……頑張ろうな。お前は1回、日の目を見るべきだよ。

中本:ありがとうございます。ゴローさん……一緒に売れましょうね。

――ありが……いや、それはイヤだ。それだと今、俺とお前が同じレベルみたいじゃんか。

中本:何じゃ、そりゃっ!

 おしまい。

【村橋ゴロー】

1972年生まれ。ほとんどの家事とまあまあの育児をこなす、ライター・コラムニスト。千原ジュニアや田村淳など芸人連載の構成を多数手掛ける。その一方、ママ向けサイトit mamaでは、「どの口が言ってるんだ」という感じだが、妊活や育児についてのコラムを執筆中。また、『ゴー! ゴー!! バカ画像MAX』シリーズ(KKベストセラーズ刊)は累計190万部を突破。近著に『俺たち妊活部「パパになりたい!」男たち101人の本音』(主婦の友社刊)がある。Twitterは、 @muragoro

<取材・文/村橋ゴロー、撮影/藤井敦年>

日刊SPA!

最終更新:6/15(木) 16:00
週刊SPA!

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊SPA!

扶桑社

2017年8月15・22日合併号
08月08日発売

¥440

・[東京VS地方]貧困のリアル
・[情弱ビジネス]騙しの最新手口11連発
・[神戸5人殺傷事件]報道できない裏側
・猛暑の[悪臭スポット]を測定してみた