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ラマダン明けの6月下旬 サウジ政府系ファンドが日本株売却の可能性

6/16(金) 17:00配信

マネーポストWEB

 北朝鮮のミサイルや核開発の動向は世界の投資家たちも注目するところだが、もう一つ注目の的はサウジアラビアの動向だという。海外金融機関の動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取締役の宮島秀直氏が解説する。

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 世界の投資家たちが注目しているのがサウジアラビアの政府系ファンド(SWF)の動向だ。イスラム教徒の断食が行なわれるラマダンは、今年は5月27日から6月25日となっている。

 ラマダン明け以降、サウジアラビアのSWFが保有する株式を売却する可能性が高いのである。

 この背景には、サウジアラビアの財政赤字がある。WTI原油価格が1バレル=40ドル台では、年間約9兆円の財政赤字が発生し、そこに、介入したイエメン紛争の軍事費が最低4~5兆円上乗せされ、最終赤字は13兆円以上に膨らむことが予想されるのだ。

 また、現在、OPEC諸国は表向き原油の減産を継続しているが、イランは裏で増産をしており、米国のシェール・オイルも増産傾向にある。

 しかも、今年2月、サウジアラビア自身が減産幅を縮小していることが判明している。原油価格が1バレル=50ドルを超えて定着する可能性は低いといえよう。

 サウジアラビアには財政赤字を放置できない理由がある。それは、国家的事業といえる国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)に影響する可能性があるからだ。

 サウジアラムコのIPOは、2018年にNY市場で予定されている。時価総額2兆ドルと推定される株式の最大5%が対象で、間違いなく過去最大規模のIPOといえる。

 サウジアラビア政府が掲げる『ビジョン2030』の目玉政策でもあり、株式の売却資金を新規事業と財政再建に充てようと考えている。

 サウジアラビアが財政赤字を放置すると、サウジアラビア国債の格付けは低いままとなり、国営企業であるサウジアラムコの株価が、国債の格付けに連動して、実際の価値を下回るおそれがある。それを回避するために、SWFで赤字を埋め合わせる可能性があるのだ。

 2016年末時点で、サウジアラビアのSWFには約6800億円の日本株が含まれている。今年に入ってからは、株式売却は手控えられていたため、6月下旬のラマダン明けに一気に売却が進む可能性がある。

※マネーポスト2017年夏号

最終更新:6/16(金) 17:00
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