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新卒社員の意見を聞いて、「3連休制度」を導入。“新人ファースト”の社長がいる会社

6/16(金) 7:30配信

BEST TIMES

楽で、休みが多くて、給料が多い会社」が今の若い社員から支持される会社の条件。株式会社武蔵野は、数年前からパートを含む社員の雇用環境改善に取り組み、過去最高売上、最高益を更新した。『儲かりたいならパート社員を武器にしなさい』(ベスト新書)が話題を呼ぶ代表取締役社長・小山昇氏に、イマドキの新卒社員をどのように育てていくべきかについて伺った。

新卒社員が入ってくる会社に変えなければ生き残れない

――これからの中小企業には、どんな変化が必要だと思われますか。

  今の若い人が入社してくる会社に変えることです。わが社では、新卒内定者に「エナジャイザー」を使った適性テストを行っています。 エナジャイザーの診断結果から、ゆとり世代以降は、学生のストレス耐性が年々弱くなっていることがわかりました。また、最近の学生に話を聞くと、「給料はそこそこでもいいから、ラクをして『休み』が多い会社がいい」と答える学生も増えています。
 つまり、給料よりも休みを優先するのが、今の学生のトレンドですから、そのトレンドに合わせて、会社を変えていかなければなりません。

 わが社では、1年に一度、「3日間の連続休暇」を取れるようにしています。3連休のヒントは、新卒社員が飲み会の席で「土・日・月と3連休ほしい」と話していたことです。それを聞いた私は、すぐ実施することに決めました。
 このように武蔵野では、会社に新卒を合わせるのではなく、新卒に合わせて会社を変えている。だから、新しい人がどんどん入ってきます。この春には20人が入社しました。来年は30人の採用予定で、すでに24人の内定が決まっています。

 今年の3月、新宿南口のミライナタワーにセミナールームを新設しました。地方から訪れる就活生の利便性を考えてのオープンでしたが、採用担当の予想を上回る数の学生が毎回来てくれています。

――新卒採用した社員が離職しないようにするために、どのような取り組みをしていますか。

 エナジャイザーの結果から、「今の若い人は、同じことをやり続けるとストレスを感じやすい」ことが明らかになっています。ですから、新卒社員には「1年以内に人事異動させる」と伝えるようにしています。
 また、かつての武蔵野は、新入社員のフォローがおざなりになっていました。だから、定着率が低かった。現在は、入社3年目社員を「インストラクター」にして新人の指導を行ったり、2年目社員を「お世話係」として新卒社員一人ひとりにつけるなどして、きめ細かく面倒を見ています。その結果、新卒社員の定着率が大幅に向上しました。
 それから重要なのは、「早く仕事を習熟できて、成果が出せる」しくみをつくることです。入社をしてからある程度の仕事をまかせられるようになるまで、1年もかかっていたら遅すぎる。ですから作業を分解するなどして、すぐに習熟できるようにしています。

 普通の会社は、社員に「100点」を期待します。そして、100点が取れる社員を「一人前の社員」と呼ぶ。ですが、わが社は違います。わが社では、「80点」取れれば、もう「一人前」です。1年間かけて「100点」を取れる人を育てるのではなくて、80点でいいから半年で育てたほうが、間違いなく戦力になります。
 それに新入社員本人も、一人前が実は「80点」だとはわかっていません。ですから、「100点」に到達せずに「半人前」と言われるよりも、「80点」で一人前と言われるほうが、本人のモチベーションが上がりますし、やる気も出ます。
 多くの社長は、従来の会社のやり方に若者を合わさせようとする。だからうまくいきません。新卒を採用するためにも、採用した新卒を辞めさせないためにも、若者のトレンドに会社を合わせることが大切です。

取材・文/藤吉豊

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