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会社を否定し続ける中途入社組の複雑な心理

6/16(金) 7:30配信

@DIME

私が取材したり、仕事などで知り合う人の中には、中途採用で入社した人が多い。この10年でも、50~150人ほどはいる。年齢では20代後半から40代前半までが多く、9割は男性だ。出版・業界紙、スポーツ紙、広告から、メーカー、金融、専門商社、小売、ITなどの業界にわたる。

これらの人と話すと、6~7割は現在、勤務する会社のことを否定的にとらえる。例えば、「人事評価があいまい」「実力主義には、なっていない」「社員のレベルが低い」などだ。

これは理解しがたいことだが、何らかの不満を抱え、辞めたはずの前職のことを「社員の質は高かった」「上司は仕事ができる人だった」と言い始めることがある。

今回は、中途採用で入り、今の会社を否定し続ける人の複雑な心理を私の取材経験をもとに紹介したい。

■不満

今、職場で強烈な不満をもっているはずだ。可能性として高いのは、自分の扱いや処遇である。例えば、30代前半になり、同世代の中から課長になる人が現れる。その多くは新卒で入社した、いわゆる生え抜きの社員たちになる。だが、自分は昇格できなかった。

私が接した中途採用試験で入った人は、そのことを素直に認めることができない。「俺のほうが、実力がある」と思い込んでいるフシがある。実際、これに意味合いが近いことを私に話す。少なくとも、自分の扱いと、同世代の社員の扱いに差を感じ、それを受け入れることができていない。

中途採用で入った人が処遇の差に不満を持つのは、ある時期までは仕方がないことなのだ。ほとんどの会社で、程度の違いはあれ、中途採用試験を経て入社する人が遭遇する。しかし、その現実を受け入れることができない。とはいえ、ほかに会社に転職する力がない。会社を創業する力は、もとよりない。結局、今の会社に残り、様々な理由をつけて否定することで、自分の心の傷をいやそうとしているのだ。

■失望

つまりは、自分に失望をしているのだ。前職でも、自分が求めているレベルや水準まで力不足のために辿り着くことができなかった可能性がある。そこで不満を持ち、辞めた。実は、この考え方を変えない限り、常に不満を抱え込む。向かい合うのは、力が足りない自分である。その現実から逃げると、力が足りない自分とまた、ぶつかる。私が観察をしていると、転職を短い期間で繰り返す人に圧倒的に多いのは、このタイプである。

前職の会社や上司にも、なにがしかの問題はあったのかもしれない。しかし、最大の問題は自分の力が足りないことなのだ。社内でも評判になるほどに抜群に優秀ならば、会社として簡単に手放すことはしない。上司が認めなくとも、ほかの部署からハンティングされるものだ。

このタイプの人は、社内や社外の労働市場においての価値や評価を冷静に見つめることをしていない疑いがある。自分には、自分が期待するほどの能力はなく、普通のレベルの人材であったのだと受け入れることが必要なのではないか。ところが、「会社が悪い」「上司がだめだ」と自分の力不足を正当化しようとする。ここに、深刻な病巣がある。

■現実を知らない

会社や上司、同僚らのことを否定することよりも、自分の経験や力が足りない現実と向かい合うべきだ。そうでないと、今後も周囲を否定し続け、やがては職場で孤立し、転職をせざるを得なくなる。現在の会社である程度は認められない限り、新天地に移ろうとも、多くの人に認められることは少ないだろう。厳しいとらえ方かもしれないが、企業社会の否定しがたい現実である。

「自分はもっと優秀なのだ。こんな会社で不本意な扱いを受けない」と心から思うならば、早急に退職し、人生を仕切り直したほうがいい。そのほうが、不満を克復し、満足ができる生き方をすることができるかもしれない。

最後に…。現在の会社を否定するとき、それを聞かされる同僚らにも配慮しよう。あなたにとって不本意な会社は、ほかの社員からすると、すばらしい職場であることもある。きっとあなたには、「早く辞めてほしい」と願っているはずだ。そんな気づかいができないから、職場で不満を抱え込み、苦しくなるのではないだろうか。会社を否定するから、あなたも否定されるのだ。

文/吉田典史

@DIME編集部

最終更新:6/16(金) 7:30
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