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いまイチオシの嬢メタルバンドFATE GEARが新譜発売! まさかのコンセプトアルバムってことで裏話とか色々きいてみた

6/16(金) 20:02配信

おたぽる

 ギターリストのMina隊長(ex-DESTROSE)と声優としても活動の幅を広げているボーカリスト、Nicoが中心となって結成されたFATE GEARが6月21日に2ndフルアルバム『OZ -Rebellion-』を発売する。驚くことに、コンセプトアルバムだという。

 1stアルバム『A Light in the Black』から約2年が経過し、正式メンバーにKurumi(Key)を迎え、またサポートながらもErika(Ba)、Haruka(Dr)という強力なメンバーを迎えて制作された今作は、1stの頃よりもよりバンドの結束力が強固のものとなっている。楽曲も、メンバーのパーソナリティーが色濃く反映されているためか、かなり音楽的な広がりを見せた。

 昨今の嬢メタルブームが落ち着きを見せ、ある意味その言葉自体が1ジャンルとして確立したように思える。本当の意味でのバンドの実力が問われる時期になっているが、そんな中にリリースされる『OZ -Rebellion-』をはじめ、DESTROSE時代からガールズメタル界をけん引してきたMina隊長(Gt)、Nico(Vo)、そしてErika、Harukaにも色々話を聞いてみた(Kurumi、Yuriはこの日は不在)。

――コンセプトアルバムということですが、タイトルの通り『オズの魔法使い』をテーマにしたものですよね。公式HPにも“ストーリー原作 劇団わたあめ工場 #10「Oz-1526」”と明記があります。なぜコンセプトアルバムを作ろうとしたのですか。

Nico(以下、N):単純にコンセプトアルバムを作ってみたかったんですよ。それで、公式HPにも書いてある劇団の舞台を見させてもらって、色々とインスパイアされたものを、楽曲に投影しています。

――曲自体はどのように制作進行させたのですか。

Mina隊長(以下、隊):私が物語を軸に、主に土台となる楽曲を作って、あとはそれぞれのパートでアレンジしてもらいました。Nicoちゃんの曲やKurumiちゃんの曲も同様です。

――コンセプトアルバムということで、曲作りに苦労した点はありましたか。

隊:コンセプトアルバムの制作自体が初めてなんですよ。いままでは浮かんできたリフやメロディーをもとに、曲として作り上げていくオーソドックスなスタイルだったので、そもそも作り方を変える必要がありました。そこは苦労しましたね。でも結果的にはすごく楽しかったです。

――作詞は半分以上Nicoさんが担当されていますが、同じくコンセプトアルバムならではの苦労というのはありましたか。

N:詞で世界観を壊さないようにすることはかなり気を使いました。曲ごとに物語があって、その中に登場人物がいて、それを限られた文字数の中で表現しなくちゃいけないわけです。もともとスラスラと作詞できるタイプではないので、文字数が足りないとか逆に多いとか、曲によっては苦労しましたね。

――歌うことにおいて、これまでとコンセプトアルバムに意識のちがいはありますか。

N:詞の世界観をどう歌えば伝わるのかなってすごく考えました。楽曲もメタルだったり、ケルトだったり、ジャズだったりとバラエティー豊かなものが多いので、一辺倒な歌い方にならないようすごく気をつけました。

――Nicoさんは最近、声優業も始められたそうですね。声優業が何かボーカリストとしての自分に与えた影響ってありますか。

N:今回のアルバムでいえば、途中に英詞のセリフが挿入されている曲がいくつかあるのですが、それは声優をやっていたから上手くできたっていうのはあるかもしれません。また、逆に声優で発声などをしているから、歌にも良い影響が出ていると思います。

――確かに「Farwell -炎の餞-」のエンディングのセリフとか、もの悲しいメロディーにさらに透明感がプラスされるというか、演出として実に効果があると感じました。サポートのおふたりにも話を聞いてみたいのですが、ベースのErikaさんは全曲レコーディングに参加しているそうですね。

Erika(以下、E):はい。アレンジすることが得意なほうではなかったのですが、自由にやらせてもらえたし、こうやってアルバムってできていくのかって勉強になりました。

 実は、レコーディングすることが今回初めだったんですよ。だから最初は大丈夫かなって、かなり不安でした。

――初めてのレコーディングがFATE GEARですか。それはプレッシャーもあったでしょう。Mina隊長やNicoさんもその点に不安はなかったのですか。

隊:不安はなかったですよ。レコーディングに同席して監督しましたし。

N:全然。むしろ私が作曲した「Lunatic-faced」なんか、期待以上のベースラインが出来上がってきて「やったー!」となりましたから(笑)

――そもそもErikaさんはどういう経緯でFATE GEARに参加されたのですか。

E:知人を通じて隊長がベーシストを探していると知ったんです。もともとガールズバンドが好きで、隊長の前のバンドがすごく好きだったんですよ。だから、ぜひやりたい! と思って。

――FATE GEARのことも知っていたのですか。

E:もちろんです。1stの頃のPVも観ていて、かっこいい! と思ってましたから。

――ドラマーのHarukaさんはどのような経緯で参加されたのですか。

Haruka(以下、H):隊長からTwitterから誘っていただいたのがきっかけです。私はその当時、バンドどころかドラムもやっていませんでした。でも何か活動がしたいなと思っていた頃で。

――Erikaさんは以前から音楽的にハードなバンドでプレイされていたようですが、Harukaさんはずいぶんと畑のちがうジャンルをプレイされていたそうですね。

H:ピアノの弾き語りのバックバンド……みたいな、ポップスというか、少しおしゃれな感じのバンドでしたね。だから正直言うと、本格的に2バスに取り組むのはFATE GEARに参加してからなんです。

――ポップスに近いとなると、メタルとは使う技術が異なるし、かなり最初は苦労されたんではないですか。Mina隊長もよく誘いましたね。

隊:聖飢魔IIが好きって聞いていたので、大丈夫かなって思ったんです(笑) 実際すごく頑張ってくれてますよ。

H:2バスとかは確かに大変だったりするのですが、ハードなドラムがすごく楽しいですね。練習量が以前と比べものにならないくらい増えたんですよ。FATE GEARに入ってから大勢の前でやる機会も増えて、自分の演奏に対してお客さんの反応がダイレクトで返って、それがすごく嬉しいんです。だからすごく練習のしがいがあるんです。

――Harukaさんは今回のアルバムに参加してみて、率直な感想はどうですか。

H:私も前のバンドなどでレコーディング経験はあるものの、ミックスやマスタリング含めて細かいところまで作り込んでいく、本格的なレコーディングに参加するのは初めてで、キックの音とかが変わっていく過程とか、「おぉ! すごい!」と感動しました。

――最も印象に残っていることはなんですか。

H:「Good old days」のレコーディングですね。この曲はFATE GEARとして初めてのレコーディングだったのですが、ジャズ要素は強いし、曲は難しいし、大変だと思ったのでかなり練習して挑んだのですよ。体調もばっちり整えて。

隊:「Good old days」はKurumiちゃん作曲の難曲なんですよ。レコーディング当日はHarukaちゃんがエネルギー切れを起こさないよう、休憩の合間にチョコレートを用意して与えたりしました(笑) あの曲は本当みんな苦労したんです。

E:私も、他の曲は1日2曲くらいのペースで録れたのに、あの曲だけは2週間もかかったんですよ!

――確かにロックミュージシャンにジャズを求められるとちょっとつらいかもしれませんね。

H:でも満足のいくできになりました。曲の最後にソロっぽいことも入れられたし、いまのドラマーとしての自分が詰め込まれていますね。

――先ほどNicoさんの言葉にありましたが、今回のアルバムはかなりバラエティー豊かですよね。「Good old days」はジャズ要素があるし、リードトラックの「Scars in my Life」は実に抒情的なスピードメタルに仕上がっているし、Nicoさん作曲の「Ray -Over The Rainbow-」は耳心地が良くてJ-POPのようで、音楽的な広がりをすごく感じます。

N:バラエティー豊かっていう点はコンセプトアルバムということも関係しているのかもしれないですが、私たちは様式美ガールズメタルとうたっている以上メタルバンドなんですけれど、メタルの枠だけにとどまりたくないと個人的には思っているんですよ。

 ただ、人それぞれ曲に対して感じ方や捉え方があるので、これがFATE GEARなりのメタルだと思ってもらえればいいかなと思います。

隊:「Scars in my Life」といえば、PV撮影のときの裏話があるんですよ。

――おっ。なんですか。裏話は大好きですよ。

隊:撮影中、Erikaちゃんのベースが大破したんです。

E:そうなんですよ!

――大破って楽器に使う言葉じゃないですよね。どういう状況ですか。

※Erikaがスマートフォンで画像を見せてくれる。

――ネックが折れてボディーが割けてるじゃないですか……。壊れたってレベルじゃないですね。何をどうすればこんな風になるんですか。

E:修理不可能だって楽器屋からも言われました……。

 撮影中にベースを、ストラップをフックにぐるんと回したんですよ。そしたらストラップが外れてベースが飛んでいき……。

N:ドゴン! みたいな、いままであまり聞いたことのない音がしたよね。

隊:うん(笑) その後、Erikaちゃんはスタジオのすみで体操座りしてへこんでました。

一同:(笑)

E:ガムテープで補強して残りの撮影は乗り切ったんですが、めっちゃへこみました。

――でも、映像からは全然分かりませんね。まさかベースが大破しているなんて誰も思わないでしょう(笑)

E:はい……。アップでの映像は撮り終えていたので、なんとかなりました。

――Erikaさんは、ライブ映像をいくつか拝見させていただきましたが、誰よりもパフォーマンスが激しいですよね。ヘッドバンキングとか、かつてのジェイソン・ニューステッドみたいじゃないですか。首がプロペラになって飛んでいっちゃいそうです。

E:はい! 私はFATE GEARにおいて自分の役割は分かっていますから。パフォーマンスは全力ですね。

――素敵な裏話ありがとうございました。話を戻しますが、Mina隊長はメインソングライターとして今回のアルバムで思い入れのある曲はどれになりますか。

隊:全部そうだといえばそうなのですが、あえてあげるとしたら「Farewell -炎の餞-」ですかね。メロディーもギターソロも、自分の中でかなり手ごたえを感じている1曲です。それと、さっき何度かあがった「Good old days」もギターはさほど前に出ていないけど、ソロとか普段の私とは異なる一面が出せたと思います。

――最近は一時期より嬢メタルブームは落ち着いたように思えますが、嬢メタルという言葉が生まれる前からガールズメタル界を引っ張ってきたひとりとして、Mina隊長は何か思うことはありますか。

隊:ここ数年で嬢メタルという言葉がずいぶんと一般化したって印象ですね。

――FATE GEARとしては嬢メタルという言葉にくくられるのが嫌だったりしますか。

隊:全然そんなことないです。メタルって色々ジャンルがあるけど、観ている側が分かりやすければ表現はなんでもいいと思うんですね。

 嬢メタルなら嬢メタルで、それがきかっけで色んな音楽に興味を持ってもえたら良いと思うんですよ。私たちの曲やパフォーマンスを気に入ってもらって、他のメタルバンドに興味を持ってもらうのでも良いと思います。それが大事かなって。

 だから嬢メタルバンドやガールズバンドだけじゃなく、男性のみのバンドも、ボーカルのみ女性のバンドとかにもどんどん興味を持ってもらいたいですね。

――ではMina隊長とNicoさんから、最後にファンへのメッセージをお願いします。

隊<:すごく手間暇をかけたアルバムなので、期待以上のものが完成しました。アルバムに対する満足度は120%です。でも、これからツアーが始まるんで、CDだけじゃなく私たちのパフォーマンスもぜひ観に来てください。

N:アルバムの完成についてファンの皆さんには、本当にお待たせしました、という思いです。ひとりでも多くの方に私たちの楽曲が届くよう頑張ります。
(文/構成=Leoneko)

最終更新:6/16(金) 20:02
おたぽる