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米国の原子力発電所の安全規制はどうなっているのか --- GEPR

6/16(金) 17:03配信

アゴラ

NRCは同時多発テロの8年後に航空機落下対策を決めた

(GEPRフェロー 諸葛宗男)

米国は2001年9月11日の同時多発テロ直後、米国電力研究所(EPRI)がコンピュータを使って解析し、航空機が突入しても安全は確保されると評価した。これで仮に、同時多発テロのように原子力発電所に民間旅客機が突入したとしても、周辺の安全は確保されるとしていた。ところが、同時多発テロから8年後の2009年2月、原子力規制委員会(NRC)は新設される原子力発電所は航空機対策を実施するよう、規制基準を改定した。これによって新設の原子力発電所は航空機落下対策の実施を義務付けられた。

AP1000は2011年12月に設計認証を取り直した

WH社は2006年1月にNRCの設計認証(DC)を取得していたが、格納容器を鋼板コンクリート構造(SC造)に変更してDCの再申請を行い、2011年12月30日にNRCからDCを再取得した。因みに我が国のABWRの格納容器はSC造になっているから問題ない。

米国の福一事故(311)対応

米国原子力規制委員会(NRC)は2011年3月11日に起きた福一事故の直後から24時間体制で対応した。そして10日後の2011年3月21日、NRCは6名の上席職員で短期タスクフォース(NTTF;Near Term Task Force)を発足させた。NTTFは短期作業の報告を30日以内に行い、60日で状況を報告し、そして90日で作業を完了させることとしている。福一事故報告はRecommendations for Enhansing Reactor Safety in the 21 Century(21世紀における原子炉安全性強化のための提言)と題して2011年7月11日に公表された。この中で、米国は原子力船を含めると運転中の原子炉の数が遥かに多い。そこから得られる実地経験に基づいて設計しているので、どんな故障や事故にも対応できていた。しかし、福一事故を見て考え方が変わった。米国のこれまでの考え方はパッチワーク方式のようなものだったが、過去に経験したことが無い事態が起きても対処できるようにするにはIAEAの深層防護方式も取り入れなければならない。この考え方に基づき、NTTFはNRCの安全規制に関し、12項目の改善提言を行った。

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最終更新:6/16(金) 17:03
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