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空気が読めない、同じ失敗を繰り返す…「発達障害」への誤解で病院では思い込み受診も増加!?  正しく理解するには?

6/16(金) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 先日、NHKで放送された『NHKスペシャル 発達障害』が話題だ。発達障害の方にとっての「見る・聴く」がどんな状況かの具体的な検証などが大きな反響をよんだ。今後、NHKでは発達障害に注目していくようで、翌日の『あさイチ』でも引き続き特集された。どちらも印象的だったのは、発達障害をどう理解して共存していくのかという姿勢だった。これは発達障害を「ニューロダイバーシティ(脳の多様性)」と捉えて向き合うという、いまどきの潮流を意識した流れでもある。

 番組では発達障害を大きく3つの分野「ASD(自閉症スペクトラム障害)」「ADHD(注意欠陥多動性障害)」「LD(学習障害)」にわけ、実際にはそれぞれの領域が複雑に絡み合う症状があると解説していた。各症例をポイントでさらう程度だったのは残念だが、初期のガイドとしてはわかりやすいのは確か。ただし単純化しすぎると、気になる症状をつなぎあわせて「にわか診断」をしてしまう方がいないとも限らない。そんな素人判断が誰かを追いつめることになってしまったら…。

 というわけで、やはりある程度の「専門知識」は必要不可欠。とはいえ「発達障害バブル」とまでいわれる現在、書店にいけば関連書籍が山ほどあるので、正直どれを選ぶかでも苦労するもの。そんな中、こと大人の発達障害に関しては決定版になりそうな『発達障害』(岩波明/文藝春秋)が登場したので紹介しよう。

 著者の岩波明氏はADHD専門外来のある昭和大学附属烏山病院長であり、『大人のADHD もっと身近な発達障害(ちくま新書』(筑摩書房)ほか、多くの著書をもつ発達障害の専門家。まだまだ誤解や認識不足の多い発達障害臨床の現場には、周囲の人や本人がにわか診断したり、生まれつきの性格を混同したりという受診が実際に多いのだという。そこで、マスコミを含めた一般人が思い浮かべる発達障害の姿と、医学的な「疾患」の間の距離をうめるべく、豊富な臨床事例と共に大人の発達障害をわかりやすく解説してくれるのが本書だ。

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