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難しい「ROA」「ROE」「PER」を小出恵介でわかりやすく解説!

6/17(土) 6:01配信

オトナンサー

 未成年との淫行で無期限休業となり、出演していたドラマや映画、CMなど多数が放映・公開中止となった俳優の小出恵介さん。社会的な評判の低下だけでなく、その賠償額は3億円とも4億円とも言われています。

上場企業であるアミューズ

 このようなタレントの不祥事の場合、問題を起こした本人はもちろん、所属事務所もその責任を負うことになります。一般的には、事務所とタレントで半々などと言われますが、芸能事務所関係者に聞くと、実際は不祥事の内容や事務所との関係、過去の功績などによりケース・バイ・ケースのようです。事務所経営者の判断で「今回だけは助けてやる」と“温情判決”が下ることも多いのだとか。

 しかし小出さんが所属する「アミューズ」はそうはいきません。上場企業であるアミューズは中小の芸能事務所とは異なり、経営者の独断で小出さんを助けることはできないと推測できるからです。必要以上の賠償金は株主への不利益となるため、大げさに考えれば、経営陣が株主から訴えられるような事態にも発展しかねません。

 こうしたケースでモノを言うのは事務所とタレントの契約です。おそらく、今回のような損害賠償が発生した場合のルールは明確に決まっており、半々であればきっちり半額を支払わなければならず、小出さんの責任は重いのではないかと思われます。たとえば、賠償金の総額が4億円であれば、事務所と小出さんが2億円ずつです。

 今回は、アミューズの「出費」であるこの2億円を元に、しばしば目にするもののいま一つ意味の分からない「ROA(純資産利益率)」「ROE(自己資本利益率)」「PER(株価収益率)」などの指標について解説したいと思います。

50億円の売り上げが吹き飛ぶ?

 まずは、アミューズの2016年3月期決算から見ていきましょう。

 売上高506億円、純利益20億円で今期もこれと同程度と仮定すると、2億円の賠償金を支払えば、利益は20億円から18億円に減ることになります。見方を変えれば、アミューズの業態では20億円を稼ぎ出すのに506億円(純利益の25.3倍)の売り上げが必要であるため、今回の「ただ出ていくだけのお金」である2億円を稼ぐために約50.6億円の売り上げが必要になる計算です。

 50億円は、アミューズの約1カ月分の売り上げに相当するため、厳しい言い方をすれば、アミューズに所属するタレントやスタッフ全員が1カ月間働いて得た会社の利益が全て、小出さんの不祥事のために消えることになります(タレントとスタッフが給料をもらえないということではありません)。

 そして、前述の3つの指標はいずれもアミューズの「純利益」に関係します。

 まずROAですが、これは純利益を総資本で割ったものです。総資本はわかりやすく言えば、会社が持っているすべての資産です。つまりROAは「その会社が持っている総力」を使って、1年間でどれだけの利益を稼いだかを表します。アミューズの総資本は382億円、純利益は20億円で、財務指標の分析サイトを見るとROAは5.46%とあります。

 ROAは、小出さんのせいで純利益18億円に減ると、4.7%程度になります。一般に「5%以上」が優良企業とされているため、5%を切る影響は小さくありません。

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最終更新:6/17(土) 7:03
オトナンサー

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