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「グランドツーリングカー」の本流を目指した9代目R33スカイライン【スカイライン60周年記念】

6/17(土) 19:33配信

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バブル経済が冷え込んできた1993年8月、9代目となるR33スカイラインがデビューしました。

キャッチコピーは「ニッポンのグランドツーリングカー」として、先代の「超感覚スカイライン」から大きくコンセプトを転換してきました。

転換の理由は、先代のR32スカイラインでは抜群のスポーツ性能が高く評価された反面、販売台数が伸び悩んでいたこと。「いくらなんでも、リアシートが狭過ぎる」という居住性や実用性でネガティブな声が多かったと聞き及んでいます。



そこでR33スカイラインでは「GT」の意味に立ち返り、グランドツーリングカーの本流を目指して大人4人が速く快適に長距離をドライブできるクルマとして開発。全幅を広げ3ナンバー化するとともに、後席の居住性を改善するためにホイールベースを105mmも延長して、ローレルと同一にしました。

走りの面では、ホイールベースの大幅延長で居住性と直進安定性が向上。エンジンは2.5L直6DOHCとDOHCターボを主力として余裕の走りを実現するとともに、リーズナブルな2LのOHCもラインアップ。また4輪マルチリンクサスやスーパーハイキャスに加えて、バッテリーをリアに移設して重量バランスに配慮するなど、グランドツーリングカーとして、様々な対策を実施しました。

1995年1月にはR33スカイラインGT-Rを発表。開発陣は、無敵と言われたR32GT-Rをサーキットで超えるべく、メカのブラッシュアップを中心に開発を進めました。そしてR33GT-Rはニュルブルクリンクで、R32GT-Rのラップタイムを21秒も上回る7分59秒を達成。発売時「マイナス21秒のロマン」のキャッチコピーに、開発陣の意地を感じたことを覚えています。

ただ標準車にスポーツイメージがなく、レースカテゴリーの変更でGT-Rの活躍の場が失われ、バブル経済がはじけて一気に景気が冷え込んだこと等の様々な要因が重なって、販売的には厳しい状況となりました。



あらためて振り返ると、9代目R33スカイラインは歴代の直6搭載車が名乗ってきた「GT」の意味を問い、具現化しようとしていたことが伺えます。

ただR33 はスポーツ性能抜群のR32や、ホイールベースが共通のローレルと比較されるだけでなく、バブル経済がはじけて景気が冷え込む中での登場でしたから、地味で中途半端なイメージがついて回りました。そのため訴求していたGT の資質についても、ニュートラルな評価を受けられなかった印象が残っています。

そして日産は、バブル崩壊のあおりを受けて極度の経営不振に陥っていきます。そんな中開発陣は、Rシリーズ最後のR34スカイラインを世に送り出すのです。

(星崎 俊浩)

最終更新:6/17(土) 19:33
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