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三越伊勢丹やローソン トップが慶應出身の縁で企業再編も

6/18(日) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 数多の有名社長を輩出する慶應義塾大学。財界での影響力、存在感においては最高峰・東大をも凌ぐほどだ。東京商工リサーチの2015年12月段階の調べによると、上場企業社長出身大学ランキングで1位は慶應の321人。早稲田の230人、東大の219人と続く。その勢力の源には、慶應OB組織「三田会」の存在がある。36万人を超える「塾員」たちの結束力と人脈は、企業再編にまで影響を及ぼすといわれる。

「慶應卒」のパワーは時として企業再編の起爆剤にもなり得ることがある。『慶應の人脈力』著者の國貞文隆氏はこう語る。

「企業のトップに慶應出身者が多いので、それが縁で企業再編が起こることもあります。2008年に合併した三越伊勢丹が象徴的なケースでした」

 老舗百貨店同士の提携を主導した伊勢丹の故・武藤信一社長は慶應卒。当時三越前会長だった中村胤夫氏も慶應卒で、統合が進んだ背景には、双方の企業内での三田会の存在も大きかったようだ。統合前にそれぞれの社内にあった三田会は現在、三越伊勢丹三田会となっている。そして4月に三越伊勢丹の社長となったのは慶應OBの杉江俊彦氏である。

 ローソンの社長を務めていた新浪剛史氏が2014年にサントリーの社長に“転職”したのも、サントリーの佐治信忠会長と「三田会」で出会い、意気投合したことがきっかけだったといわれている。ちなみに新浪氏がローソンの後任に指名したのも、慶應卒の玉塚元一氏だった(現顧問)。

 地銀再編においても、慶應人脈が活かされたケースがある。2015年に経営統合して九州フィナンシャルグループとなった熊本県の肥後銀行と鹿児島県の鹿児島銀行だったが、双方の頭取が慶應商学部の同期(1975年卒)で、「年度三田会」で再会したことがきっかけだったという。

 他の有名大学、例えば東大にはそうした人脈を活用する風土がないのだという。東大OBの経済評論家の山崎元氏はこう言うのだ。

「霞が関には東大閥が一応ありますが、東大卒は連携してウィン・ウィンの関係を築くことよりも、自らより格下のグループを見下すことに熱心(苦笑)。それ以下の人を見下すだけで連携はしない。早稲田には『稲門会』がありますが、群れることをよしとしない価値観があり、やはりOB同士が助け合う三田会のようなムードにはなりません」

 昨今トップが交代した三菱東京UFJにしろフジテレビにしろ、あるいは三越伊勢丹にしろ、企業がアクシデントやピンチに陥った時に慶應卒の人材が頼られるのは決して偶然ではないのである。

※週刊ポスト2017年6月23日号