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『嘆きの王冠 ~ホロウ・クラウン~』――桜庭一樹のシネマ桜吹雪

6/18(日) 11:00配信

文春オンライン

 シェイクスピアを読むのは好きだけど、歴史劇だけはムリー……。念仏みたいだしー、長いー……。でもドラマを観たらこんなに面白いとは! これにはビックリ。

『リチャード二世』から『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』『ヘンリー六世』『リチャード三世』までを映像化したドラマシリーズ。ヒーローのヘンリー五世役をトム・ヒドルストンがさわやかに、ヴィランのリチャード三世役をカンバーバッチがゴスっぽく、熱演&怪演。パトリック・スチュワートやジェレミー・アイアンズも脇を固め、英国のオールスター大集合だ。日本でいう年末の忠臣蔵ドラマかなぁ?

 まず、ベン・ウィショー演じるダメダメ王のリチャード二世を、後のヘンリー四世率いる反乱軍がやっつけて王位を奪う物語で幕開け。でもいくらダメダメでも、当時の王とは“神の代理人”。神殺しの禁忌を犯した畏怖が広がる。乱世の予感に、観ているこっちもウワーと青ざめる……。

 以来、イングランドの地ではごちゃごちゃと揉め事が続く。やがてヘンリー四世の息子、トムヒが颯爽と登場! 彼は遊び人だったが、父王が崩御した途端、悪友と縁を切り、王位を狙う一派との戦争にも勝利。民から慕われる立派な王ヘンリー五世へと成長した。よしよし。だがっ?

 父王の四世が禁忌を犯した呪いか? 五世トムヒが若くして病死。気弱な息子ヘンリー六世が王冠を戴いた。あぁ、またもや波乱の予感……。

 さて、六世の玉座を虎視眈々と狙う脊椎側弯症の青年! 彼こそ最終章の主人公。リチャード二世の子孫、後のリチャード三世だ。演者はカンバーバッチ。王位を追われ殺された先祖の嘆きを背負い、悪の限りを尽くすのだっ!

 甘い恋愛、友情、残酷な復讐譚、戦争アクション、宮廷騙し合い劇、父子の邂逅、青年の成長物語。シェイクスピア劇はすべてがメガ盛りで、やっぱり面白い~。

INFORMATION【劇場版】『嘆きの王冠 ~ホロウ・クラウン~』
6月17日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷にて7作品一挙公開
https://www.hollowcrown.jp/

桜庭 一樹

最終更新:6/18(日) 11:00
文春オンライン

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