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米FRBがバランスシート縮小へ具体策、その中身とは?

6/18(日) 7:00配信

オトナンサー

 米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が6月13~14日、金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、市場予想通り政策金利の引き上げを決定しました。2015年12月以来4度目の利上げで政策金利は1.00~1.25%となり、これまでに累計で1%引き上げられたことになります。

【3分でわかる動画】米FRB、バランスシートの縮小でどうなる?

 FOMCの声明文では、労働市場が堅調であり、失業率が低下したことが指摘されました。一方で、足元のインフレ率の鈍化にやや懸念が表明されましたが、中期的には目標である2%近辺で安定するとの予想が維持されました。

 しかし、今回注目すべきは、FOMCがバランスシートの縮小に関して具体的な方法を発表したことでしょう。

バランスシートの維持=緩和効果

 FRBはリーマン・ショック直後に政策金利をほぼゼロまで引き下げ、さらなる金融緩和策として、債券を購入する量的緩和(QE)に踏み切りました。これは「非伝統的政策」とも呼ばれます。

 QEは2014年10月に終了しましたが、FRBはその期間に購入した債券を保有し続けてきました。債券を保有し続ける限り、つまりバランスシートの規模を維持する限り、その代金は市中に放出されたままであり、金融緩和効果があるとの考えによるものです。

 米国の経済が力強いとは必ずしも言えないものの、極端な景気刺激がなくても独り立ちできるという判断の下、FRBは金融政策の正常化を進めつつあります。その一つが利上げであり、もう一つがバランスシートの縮小です。

バランスシート半減は4年以上必要?

 ただし、保有債券の売却が債券市場に打撃を与えかねないことから、FRBは慎重に事を進めようとしています。そのため、当面は債券を売却せず、満期償還された債券の再投資を停止することで残高を漸減させる方針です。

 再投資の停止は、まず月間100億ドル(国債60億ドル+住宅ローン担保証券40億ドル)でスタートし、3カ月ごとに100億ドルずつ上乗せされます。再投資の停止は1年後に月間500億ドルになり、その後はそのペースでの停止が続きます。

 現在のFRBのバランスシートは約4.5兆ドル。筆者の計算では、バランスシートが半減するまで4年以上かかります。リーマン・ショック前のFRBのバランスシートは1兆ドル弱。当時に比べて経済規模が拡大し、適正なバランスシートの規模も拡大しているとしても、正常化には相当長い時間がかかるということです。

 今回の声明文には「経済情勢がほぼ想定通りに進展するなら、バランスシート正常化プログラムの年内開始を想定している」とありました。まず、FRBの想定通り米景気の堅調が続くのか、そして物価が目標である2%に接近するのか。さらには、FRBが先進国中央銀行の先頭を切ってバランスシートの縮小を開始した場合、内外の金融市場にどのような影響を及ぼすのか。興味を持って見守りたいと思います。

株式会社マネースクウェア・ジャパン チーフエコノミスト 西田明弘

最終更新:6/18(日) 7:00
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