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世界1千万人の「女子向けPCゲーム」を生んだスウェーデン企業

6/18(日) 15:30配信

Forbes JAPAN

スウェーデンのストックホルムに本拠を置くStar Stable Entertainmentは、ユーザーの50%以上が女性という異色のゲーム会社だ。同社は、PCオンラインゲーム「Star Stable」の登録ユーザー数が、全世界で1000万人を突破したことを明らかにした。



ストックホルムには、スパーセルやキングなど世界的なゲーム開発会社が拠点を構えている。Star StableのオフィスはEpicentreという、スポティファイの研究開発部門も入居するビルにある。

Star Stableは、サブスクリプション型のMMORPGだ。月額料金は8.49ドルで、この他にゲーム内課金が発生する。74.99ドルを支払うと終身メンバーの資格が得られる。平均MAUは50万人で、昨年の売上高は1500万ドル(約16億円)を突破した。

CEOのFredric Gunnarsonは「ゲームの熱烈なファンからカップケーキなどのプレゼントがオフィスに届く。これまで勤めたスタートアップでは、皆が経済的な成功を求めて辛い仕事に耐えていた。しかし、Star Stableではお金だけでなく、喜びも大きな報酬となっている」と彼は話す。

Star Stableは、隕石が地球に衝突して誕生した島「Jorvik」を舞台にしたファンタジーRPGだ。Gunnarsonによると、プレーヤーの大半は13歳の女児だが、おばあちゃん世代にも人気だという。ユーザー数は米国、ドイツ、英国、フランス、スカンジナビアの順で多いが、南半球のオーストラリアでもユーザーが増えている。また、ゲームの主人公たちが馬に乗って活躍するため、馬文化が根付いている地域で特に人気が高いという。

創業当時はダメ出しの嵐

Star StableはテレビCMやユーチューブ動画を使って新規ユーザーを獲得している。「我々が最も重点的に取り組んだのは、ソーシャルメディアを通じてファンとコミュニケーションをとり、コミュニティを活性化することだった」とGunnarsonは話す。

急成長を遂げたStar Stableだが、スタート時には周囲から猛反対を受けた。「PCゲームの時代はもう終わったとか、女の子向けゲームなど馬鹿げたアイデアだとか、フリーミアム全盛期にサブスクリプションモデルなど受けるはずがないなど、周囲からの評価は散々だったが、ダメ出しが多いことはむしろチャンスだと前向きに捉えた」とGunnarsonは当時を振り返る。
--{好調に見えるが、CEOは慎重な姿勢を崩さない}--
Star Stableはリリース以来、グラフィックをアップデートしたり、ゲーム内のワールドやアイテムを拡張するなど、絶えず改良を加えてきた。事業の前途は明るいように見えるが、Gunnarsonは、「この世界は予想しないことがよく起こる」と慎重な姿勢を崩さない。

子供のゲーム依存症が社会問題化する中、Gunnarsonらはゲーム開発者としての責任を重く感じているという。「我々の目標は、子供たちの親から感謝されることだ。子供たちに悪影響を与えるゲームを作ったら、この目標を達成することはできない。我々は、子供たちが依存症になることを防止するために、1~3時間プレイしたらその日はもう新たなクエストを与えなかったり、1日当たりの消費金額の上限を定めるといった工夫をしている。また、プレーヤーとの関係性を崩さないために、〝購入″や〝アップグレード″といった文言の使用を避けている」

Gunnarsonは、Star Stableのことを「寛大な心を持ち、女の子たちを元気にする会社」と評する。Star Stableは、ユーザーを大切にし、長期的な価値の提供を重視している。

Paul Armstrong

最終更新:6/18(日) 15:30
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