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700種のばい菌が1000倍に増殖 就寝中の「誤嚥性肺炎」唾液リスク

6/18(日) 5:56配信

デイリー新潮

 肺内で増殖し、命までも吸い取ってしまう細菌は、言うまでもなく我々の口腔が起点となっている。まさしく「健康は歯から」で、マウスケアを疎かにすれば、取り返しのつかない事態を招くことになるのだ。

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 神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科の足立了平教授は、

「健康な人ならば口内の菌が誤って肺に入っても、直ちに誤嚥性肺炎は発症しません。どういう方が危ないかといえば、まず高齢者など免疫力が落ちた人です。他の発症要因としては誤嚥が日常的にあること、それから口の中の汚れ。この3つが大きな原因となります」

 脳血管障害などを持つ高齢者は、本人が気づかないまま、寝ている間に唾液が少しずつ、気道を経て肺へと流れ込んでしまう。こうした現象は「不顕性誤嚥」と呼ばれる。

 そもそも口の中は細菌の温床であり、さらに免疫力が低下しているとあっては由々しき事態である。鶴見大学歯学部の花田信弘教授(探索歯学講座)が言う。

「唾液の誤嚥が肺炎につながるのは、口腔内の界面に集まった細菌が塊となって形成された多糖体『バイオフィルム』が、気道に入り込んでしまうからです。ここには約700種の細菌がいるとされています。歯を磨かずに放置していると、この中で異なる細菌同士、薬剤耐性遺伝子の交換がなされてしまうのです」

 さらには、こんな“現実”とも隣り合わせだという。

「就寝中は唾液の分泌が止まり、唾液の浄化作用が働かなくなります。このため、細菌は一晩で1000倍ほどに増殖してしまうのです。これを取り除かずに朝食を摂ると、細菌はすべて腸内に入り込んでしまいます」

■「3DS」と舌ブラシ

 いかに注意を喚起しても、知らぬ間に唾液が肺に入り込むリスクは残るのだが、

「そうした細菌を減らすには、定期的に歯科で『3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)』を行うのが有効です。これは歯型を取ったトレーの内側に抗菌性薬剤を塗り、5~10分ほど歯にフィットさせて虫歯菌や歯周病菌などの病原菌を減らすケアです」

 むろん、日常においてはまず歯磨きである。

「1日最低2回はしましょう。最初は電動ブラシで軽く、次に2種類のハンドブラシで丁寧に磨きます。1つは虫歯用で、バイオフィルムを除去するために硬くて短い毛のタイプがよい。もう1つは歯周病用。歯周病菌も、血液を介して肺に届けば血行性の肺炎を引き起こすリスクがあります。こちらは45度に傾けて歯周ポケットに届かせる必要があるので、長くて柔らかいタイプが適しています」

 これで終わりではない。

「続いて、若い人はデンタルフロス、高齢者は歯間ブラシで歯の4面をすべて掃除し、最後に『舌ブラシ』で仕上げるとよいでしょう」

 先述した1000倍の細菌を飲み干したくなければ、起床時に軽い「空磨き」も不可欠。3分間のブラッシングを怠れば、一生を棒に振るリスクを背負うことになる。

特集「がんより怖い『誤嚥性肺炎』を防ぐ完全ガイド」より

「週刊新潮」2017年6月8日号 掲載

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最終更新:7/26(水) 18:09
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