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兄以上の逸材か。ヘンリーバローズは「すごい馬になるオーラがある」

6/19(月) 7:40配信

webスポルティーバ

厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第4回:ヘンリーバローズ

 5月20日に行なわれた1000万下特別のオーストラリアトロフィー(京都・芝1800m)。GIシーズン真っ盛りの中、多くのファンはこの”条件戦”に視線を注いでいた。

【写真】来春のクラシック候補は他にも続々…

 なぜなら、このレースでかつて「クラシック候補」と呼ばれた馬が復帰するからだった。

 その馬の名は、シルバーステート(牡4歳/父ディープインパクト)。2015年7月にデビューした同馬は、その1戦こそ2着に敗れたものの(※勝ち馬は、今年のGIヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリード)、2戦目の未勝利戦で2着に5馬身差をつける圧巻の走りを披露。初戦負けの評価を覆(くつがえ)すどころか、十分にお釣りがくるほどの能力を見せつけた。

 さらに、3戦目となった500万下の紫菊賞(2015年10月17日/京都・芝2000m)でも、直線で楽々とライバルを捉える余裕の競馬で快勝した。その驚異的な切れ味でマークした上がりタイムは32秒7。再度、相当な器であることを示し、一躍翌春のクラシック候補に浮上した。

 しかし、期待されたクラシックの舞台に、この馬の姿はなかった。サラブレッドにとって「不治の病」と呼ばれる屈腱炎を発症したのである。

 引退に追い込まれることも少なくない屈腱炎だが、その能力を信じるスタッフのケアにより、シルバーステートは競走馬として再び戻ってくることができた。そして、その復帰戦となったのが、冒頭のオーストラリアトロフィーだった。

 およそ1年7カ月ぶりというレースだったが、シルバーステートは1番人気に推された。すると、その期待に応えるように、同馬はスローペースの中で先手をとって、上がりも33秒3でまとめて楽勝した。長期ブランクを感じさせない走りで、後続に3馬身差をつける完璧な勝利だった。

 こうして見事な復帰を遂げたシルバーステート。今後がますます注目されるが、この結果を受けて、一段と注目度が増している馬がいる。

 シルバーステートの全弟となるヘンリーバローズ(牡2歳/父ディープインパクト)だ。兄が果たせなかったクラシック戦線での活躍を、多くのファンが期待している。

 もちろん、”弟だから”という理由だけで絶大な期待を集めているわけではない。それ相応の素質の高さを感じさせるからだろう。実際、ヘンリーバローズの育成を行なったノーザンファーム空港牧場の足立稔氏は、同馬についてこう評す。

「1歳のときから素晴らしい見栄えをしていて、順調にいけば”すごい馬になる”というオーラがあります。育成段階でも問題はなく、このまま着実にデビューまでの過程を踏んでいけば、結果は自ずとついてくるのではないでしょうか。どこまでのレベルに行くのか、楽しみですね」

 熟練のスタッフを唸らせるほどの資質を持つヘンリーバローズ。具体的にはどんなよさを持っているのか。足立氏が続けて語る。

「走ったときの後脚の強さですね。それが印象的です。後脚がしっかり”入る”というのか、踏ん張りが(他の馬とは)違う感じがします。(育成が進んでいる馬の基本メニューである)1ハロン15秒の調教でも馬自身が遊ぶほどの余裕がありますし、(調教の強度が上がるにつれて)さらによくなっていきそう。もちろん、クラシックが目標です」

 同馬は栗東トレセンの角居勝彦厩舎に所属し、来春の大目標へ向けて歩みを進めていく。

 はたして、兄が立てなかった舞台でその勇姿を見ることができるのか。素質豊かな”駿馬”の動向から目が離せない。

河合力●文 text by Kawai Chikara

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