ここから本文です

まさかの“ZOZODOWN” 空白の26時間が残したほろ苦い教訓

6/19(月) 0:32配信

WWD JAPAN.com

 スタートトゥデイが運営するファッションECサイト「ゾゾタウン」は、6月14日の午前6時頃からシステムトラブルに見舞われ、翌15日の午前8時半過ぎまで、26時間に渡ってサービスが停止した。日本最大のファッションECモールにして、月間24億PV、秒間120注文を処理する「ゾゾタウン」のトラブルは、出店テナントであるブランドのEC担当者をパニックに陥れた。多くのファッションブランドにとって“「ゾゾタウン」支店”は、リアル店舗の旗艦店をも凌ぐ圧倒的な一番店。その店舗がなんの前触れもなく停止したのだ。裏側では一体何が起こっていたのか。

 「ゾゾタウン」のエンジニアたちの長い1日の幕開けは、小さな異変から始まった。14日の早朝、ユーザーによって値段が表示されなくなったり、タイムセールが使えなくなるなどのトラブルが発生した。ただ、当初は「ゾゾタウン」側もそれほど大きなトラブルとは捉えてなかったようだ。トラブルの発生から約3時間後、テナント側にはゾゾの担当者から下記のようなメールが送られていた。

「今朝6時頃よりシステム障害が発生しており、現在、サイト・管理画面の一部で不具合が生じております。管理画面においては、データの閲覧は問題なくご利用いただけますが、データの更新作業はお控えいただきますようお願い申し上げます」

 だが、その2時間後の昼12時前に事態は急転する。

「システム障害に伴い、サイトを1~2時間程度停止する運びとなりました。復旧目処がたち次第、再度ご連絡をさせていただきます。長らくご迷惑をおかけしており、大変申し訳ございません」

 「ゾゾタウン」はトラブルを解消するため、“1~2時間”のサイトの停止を決断。テナントであるブランド側からも、管理者画面へのアクセスができなくなった。

 1~2時間と伝えられたサービス停止は、もっと長く続くことになる。数時間ごとにEC担当者にはお詫びの文面が送られてきたが、復旧の連絡はなかなか来ない。14日午後11時前にようやく復旧のメドがつき、深夜2時に復旧するという知らせが届いた。

 再び深夜2時に、復旧は早朝の5時に延期になったことが伝えられると、結局復旧は15日の午前8時半ごろまでずれ込んだ。午前中のピークタイムである通勤/通学の時間帯には間に合わなかったものの、始業開始時刻には間に合ったことで、ホッと胸をなでおろしたブランド側のEC担当者も少なくなかったはずだ。

 ファッションECの分野で、「ゾゾタウン」は絶対的な王者だ。数年前から、有力なブランドやセレクトショップが相次いで、直営店にあたる自社ECをスタートした。ECの本質が、年齢や性別、年収、購買履歴などの顧客情報を軸にしたデータベース・マーケティングである以上、社内に顧客のデータベースを蓄積し、運用することはブランドにとって最重要課題の一つだからだ。だが、今でも“ゾゾ超え”を達成できた企業はごく一部に過ぎない。ECに力を入れているブランドほど、「ゾゾタウン」への依存度は高くなる。ECのための在庫やささげ(商品画像と採寸データ、商品説明)データさえ揃えれば、「ゾゾタウン」はブランド側の自社ECよりも格段に効率よく成果を上げるためだ。それだけ「ゾゾタウン」データベースとそれに基づくマーケティングのノウハウは巨大かつ強力なのだ。

 原宿や新宿の一等地に巨大な旗艦店を持つユナイテッドアローズやビームスでさえ、「ゾゾタウン」での売り上げはその2倍、あるいはそれ以上になる。リアル店舗では考えられなかったことだ。リアルの世界で言えば、「ゾゾタウン」はイオンモールやららぽーとのような、多数のテナントを集積したショッピングモールのようなもの。“ゾゾタウン店”は、全国に多数の店舗を構えるブランドやセレクトショップであれば、数多くの直営店の中の一つに過ぎない。いくら強力なショッピングモールやファッションビルであっても、ある程度の規模以上のブランドであれば、旗艦店を超える店舗は存在しない。

1/2ページ

最終更新:6/19(月) 0:32
WWD JAPAN.com