ここから本文です

「太る家系だから太る」はウソである! --- 尾藤 克之

6/19(月) 16:17配信

アゴラ

「太る体質は家系によるものです」。暑い夏を前にしたこの時期、健康やダイエットに関する情報は人気が高い。1994年、ジェフリー・M・フリードマン(米国ロックフェラー大学教授)によって肥満に影響をあたえる遺伝子の存在が明らかにされた。しかし、体質が決まるのは遺伝だけの問題とはいえないようだ。

「太る家系だからやせられない!気持ちはわかりますが、これは完全な誤解です」。そう答えるのは、管理栄養士、健康運動指導士として活動している、菊池真由子(以下、菊池)氏である。近著に『図解 食べても食べても太らない法』(三笠書房)(http://amzn.to/2tj8AxG)がある。

■遺伝ではなく環境要因が大きい

――「肥満になる確率」は、これまでの研究で概ねの基準が明らかになっている。両親がともに標準体重である場合の子供の肥満発生率は約10%、どちらか片親が肥満の場合は約50%、両親とも肥満の場合は約80%というものである。

「太るのは遺伝よりも、圧倒的に食生活(環境)の影響が大きいと考えています。たしかに、血縁のある家族なら遺伝的にも体質が似ています。両親や兄弟姉妹が太っていると、つい遺伝の可能性を考えたくなるものです。しかし、夫婦、つまり父親と母親との間では血縁関係はありません。当然、両親の体質はまったく違ってきます。」(菊池氏)

「にもかかわらず、家族全員が太っているというのは、どういうことでしょう。考えられる理由は1つしかありません。それは、家族そろって、『太りやすい食生活』をしているからに違いありません。」(同)

――つまり、家族全員が、カロリーオーバーの食事をとっていることに他ならない。

「カロリーオーバーを続けていれば、やせ体質の人でも、おのずと体重は増えてしまいます。太るのは遺伝ではなく家族で太るような食生活をしていることが原因です。ところで、あなたの周りに、スリムな人と太っている人が交じっている家族がいませんか。姉はスリムなのに妹は太り気味、妻は細身なのに夫はお腹がポッコリという家族です。」(菊池氏)

「家族なら、毎日似たような食事をして、同じようなカロリーをとっているはず。にもかかわらず、体型に違いが起きるのはなぜでしょうか。その理由は、『食事以外からとるカロリー摂取量の違い』にあります。食事以外とは、おやつやお酒、おつまみ類です。」(同)

――おやつやお酒、おつまみは食べたことそのものを忘れやすい。食べたことを忘れていたり、たいした量を食べていないと思っている。ところが、これらは高カロリーであることが少なくない。食後のデザートや、晩酌に小瓶1本くらい大丈夫と思っていたら危険だ。

■体重差が出てしまう明確な理由

――また、家族で同じように食べているのに、体重差が出るのには理由がありそうだ。

「ダイエットのための食事指導をしていると『姉はスリムなのに私は太っているんです』。よくこうした相談を受けます。家族間で体重差が出てしまうのは、食事以外からとるカロリー-摂取量の違いだということを説明しても、本人としてみれば心当たりがないため、すぐには納得できないケースがほとんどです。」(菊池氏)

「そこで、指導するときには『1日に食べたものを全部写真に撮ってきてください』とお願いをすることにしています。するとどうでしよう。友達とケーキを食べていたり、飲み会の席でお酒やカロリーの高いおつまみを食べていたり、といったことが全部写真に映っているのです。」(同)

――それを見て、「こんなに食べていたの」と驚くことになる。菊池氏は、3日間程度、食べたものを全部写真に撮ってみることを推奨している。メモではなく画像で可視化することで、予想以上に食べていたことにようやく気づくそうだ。

そして、食べ方にも注意をしなければいけない。食事毎にカロリー摂取量を計算するなど、自分への意識付けが必要である。いかがだろうか。まずは3日間、「写真を撮る」ことからはじめてみては。きっと、驚きの事実が発見されるにちがいない。

参考書籍
『図解 食べても食べても太らない法』(三笠書房)(http://amzn.to/2tj8AxG)

尾藤克之
コラムニスト

尾藤 克之

最終更新:6/19(月) 16:17
アゴラ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

アゴラ-言論プラットフォーム

アゴラ研究所

毎日更新

無料

経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム