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サービス残業中の事故でも労災は申請できる! その根拠は?

6/19(月) 19:30配信

エイ出版社

サービス残業中の事故は労災申請できない!? そんなお悩みに弁護士が答えます!

働く人が抱える大きな問題のひとつ、サービス残業。心身ともに疲労が蓄積するうえに、もしも事故にあったら……。サービス残業ということは、就業規則上では労働時間外で、もしかして労災申請ができないかも!?

自分にも起こりうるかもしれないこんなトラブルを抱えてしまった20代男性のお悩みを、労災・過労死事件に取り組む、つまこい法律事務所の佐久間大輔弁護士に相談してみました。

「サービス残業中の事故で労災認定されますか?」

相談者:「期限が迫り、仕事が大量にたまってしまい、サービス残業をしていました。その際にケガをした場合には労災と認められるのでしょうか。治療費がかさんで困っています」

佐久間弁護士:「まずサービス残業は労働基準法違反です。使用者は労働者の労働時間を適正に把握し、業務量が過大であれば、人員の配置を見直したり、仕事の調整をしたりして、解消しなければなりません」

相談者:「労災認定がなされるかどうかについてはいかがでしょうか?」

佐久間弁護士:「労働者がサービス残業をしている時間は、労働時間と認定されるかどうかという点ですが、最高裁は使用者の指揮命令下に置かれたものか否かを客観的に判断するとしており、就業規則などから形式的に決まるものではないと判断しています。上司から明確に指示された残業は、『使用者の指揮命令下に置かれた』と判断されます。また、黙示の指示があれば、同様に評価されることがあります」

相談者:「日本ではこうした労働がまかり通っていますが、問題はないのでしょうか?」

佐久間弁護士:「日本の企業では、日常業務でも上司の明確な指示がないまま残業をしていることが多いです。業務量が多くて残業をせざるを得ず、そのことを上司も認識していることが少なくありません。こうした場合、黙示の指示により残業をしたことになります。従業員が事前に残業を申請していないからといって、業務ではなかったとはいえません。

従業員が担当する仕事が、早朝や夜などの時間外に働かないと完了しなかったというのであれば、明確な指示がなくても、上司は業務量や期限を把握しているはずですから、黙示の指示があったと認められます。労働時間と認められれば、労災申請をすることができますので、弁護士に相談することをおすすめします。サービス残業中にケガをしたら労災になるだろうかという悩みは切実だと思います。

繰り返しになりますが、サービス残業は違法な行為で、しかしながら、現在の日本の実体としては、多かれ少なかれサービス残業は見過ごされているのが現状です。ただ、不意の事故などが発生しやすい過酷な職場で、サービス残業を強いるような企業が、まともかと言われると疑問が残ります」

●佐久間大輔弁護士(つまこい法律事務所)
1970年生まれ。1997年弁護士登録、東京弁護士会所属。2013年つまこい法律事務所開設。主に労災・過労死事件に取り組む。近著に『安全衛生・労働災害』『精神疾患・過労死』などがある。人身傷害特化サイトを運営。

(出典:『最強の法律トラブル解決マニュアル』)

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最終更新:6/19(月) 19:30
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