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Uberが失墜しても残る、シリコンヴァレーの「創業者崇拝」

6/19(月) 12:12配信

WIRED.jp

セクハラや人種差別など、さまざまな不祥事が報道されているUber。社内調査の結果として、同社は従業員20人を解雇し、CEOのトラヴィス・カラニックの休職も発表した。しかし、問題の根源にあるシリコンヴァレーの「創業者崇拝」は、Uberの一件をしても変わらないのかもしれない。

シリコンヴァレーに蔓延するセクハラと差別という“病”

700億ドル(約7.7兆円)近い企業価値をもつUber。しかしその現状は悲惨で、同社に対する批判は最高潮にまで達している。では、シリコンヴァレーの企業たちは今回のUber問題から教訓を得たのだろうか? 特に、創業者に絶大な権力を与えることについて、彼らは何かを学んだのだろうか?

スタートアップの創業者やVCたちは、おそらくUberの状況を見て一瞬立ち止まるだろう。しかし、シリコンヴァレーの人々は「立ち止まる」ことを好まない。

Uberの企業形態の特性上、CEOのトラヴィス・カラニックが会社を去るか去らないかを決められるのは、ほかでもないカラニック自身だ。そして、シリコンヴァレーはこうした取り決めを歓迎し、創業者には企業の未来を見通し危機を乗り越える神がかった能力があると信じ込んできた。

グーグルやフェイスブックの創業者たちは、それぞれ自身の企業の大部分をコントロールできる立場にあり、それぞれ輝かしい成功を収めている。しかしUber問題は、創業者の価値をささえる前提に疑問を投げかけたはずだ。向こう見ずな創業者を支配的立場において企業を築く手法がすべて、というわけではないのかもしれない。

「少なくとも当面は、創業者たちは人前での振る舞い方に注意を払うでしょう」。そう話すのは、ニューヨーク大学スターン経営大学院教授のアスワス・ダモダランだ。「とはいえ、創業者たちの傲慢さは沁みついています。Uberのような問題が再発するだけでなく、それに対してもっと大きな処罰が下されない限り、実際の変化は起こらないでしょう」

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最終更新:6/19(月) 12:12
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