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頭が2つあるネズミイルカが見つかる、初の報告

6/19(月) 18:11配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

北海で生後まもなく死亡か、世界で約70万頭生息

 2017年5月、北海で漁をしていたオランダの漁師の小型底びき網に、偶然、双頭のネズミイルカ(Phocoena phocoena)がかかった。双頭のネズミイルカが確認されたのは、これが初めてだ。

【写真】双頭のネズミイルカ、上から見た写真ほか3点

 イルカの死体の保持が違法行為になることを恐れた漁師たちは、異様な生物の写真だけ撮影して海に戻した。研究者たちは実物をじかに調べられなかったことを残念がったが、この写真から詳しい情報が得られた。おかげで、オランダ、ロッテルダム自然史博物館オンラインジャーナルに6月7日付けで論文を発表することができた。

 ヒト、爬虫類、家畜の結合双生児の症例研究は多いものの、野生の哺乳類についての研究はめったにない。同博物館のエルウィン・コンパニエ氏は、論文の中で、「クジラやイルカの結合双生児の報告は極めてまれである。(今回のものを除くと)論文に記載されているものは、わずか9例である」としている。

 このイルカは生まれたばかりで、明らかにオスだった。背びれはまだ直立しておらず、口の先にはまだ毛があり、へそも閉じていなかったため、生後まもなく死亡したと考えられる。泳ぐためには硬くなっていなければならない尾もまだ硬化前だという。

 平均すると、ネズミイルカは1~2年に1頭の子を産み、双生児が生まれること自体がきわめてまれだ。ネズミイルカは世界中に約70万頭、北海には約34万5000頭が生息しているが、科学者が把握しているかぎり、これまでに双頭の個体が見つかったことはない。

 国際自然保護連合(IUCN)によると、ネズミイルカにとっての最大の脅威は混獲(漁師が漁獲対象でない種を偶発的に捕獲してしまうこと)であるという。EUは現在、魚網や小型底びき網がネズミイルカの個体数に及ぼす影響をモニターしている。

 今回のネズミイルカのように均等に結合している双生児は、別々の胎児が融合したり、1つの受精卵が不完全に分離したりすることで生じると考えらえている。

 しかしコンパニエ氏は論文で、結合双生児が生じる理由は十分に解明されていないとしている。

文=Sarah Gibbens/訳=三枝小夜子

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