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乱高下するビットコインの次にブレイクする暗号通貨は?

6/19(月) 9:00配信

HARBOR BUSINESS Online

あまりの急騰ぶりに、投機対象として注目が集まる暗号通貨。ビットコインやリップルといった有名銘柄を筆頭に、その数は数千にも上る。今後の有望株は何か、有効なトレード法はあるのか。3人の賢者に教えを請うた。

 ビットコインの高騰が止まらない。4月初旬には1ビットコインあたり12万円ほどだったのが、5月に入って急上昇。5月25日には34万円台の最高値を更新した。現在は乱高下して25万~27万円台で推移しているが、価格は今後も上昇傾向にある。

 新たな決済手段として利便性が高まっていることも、高騰を後押しする要因だろう。例えば現在、ビックカメラでは一部店舗でビットコイン決済が試験導入されている。また、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションではビットコインを用いた航空券の購入が可能になるなど、「リアルで使える」利用シーンが広がっているのだ。

『ヤバイお金 ビットコインから始まる真のIT革命』の著者であり、投資商品に精通するライターの高城泰氏は言う。

「ビットコインの決済ですが、店舗側はタブレットひとつで簡単にシステム導入ができ、客層の拡大が見込めます。また日本の税制ではビットコインで得たリターン(売却益)は雑所得として総合課税されるので、最大50%の税率がかかってしまう。そのため、含み益を抱えている人は、換金せずにビットコインのまま使いたいというニーズがある。今後、決済サービスはますます浸透していくでしょうね」

 4月に施行された改正資金決済法(通称、仮想通貨法)の影響も大きい。

「投資家保護の観点から取引所は登録制となり、監査も義務付けられる。顧客資産と自己資産を分ける分別管理も求められるようになります」

 そう語るのは、取引所比較サイト「ビットコインラボ」を運営する後藤田隼人氏だ。同法の施行によりビットコインをはじめとする暗号通貨が決済通貨として正式に認められ、中長期的な相場の盛り上がりも期待される。

◆買って放置で大幅利益!? アルトコインが急騰中

 高騰が起きているのは、ビットコインだけではない。リップルに早くから注目、10倍もの売却益を得た専業FXトレーダーのSarah氏がポテンシャルに気づいたのは、今から3年前のことだった。

「当時はビットコインに比べるとリップルは知名度もなく未知数でしたが、FXトレーダー間で注目が集まっていました。発行元のリップルラボにグーグルが出資していること、銀行の送金システムに採用される可能性があるなど独自の利点に惹かれましたね」

 Sarah氏の購入時は1XRPが0.4円ほど。しかし年末には約8倍になる急騰を見せた。

 その後も買い増しを続け、一時100万円ほどのリップルを保有していたが、停滞期に資金効率を考え、利確して半分以下に削減。別の投資に資金移動した。

「その半年後にいきなり1XRP5円まで急騰し、1か月もたたないうちに、40円にまでなった。『相場でタラレバは格好悪い』と他人には厳しく言いますが、もしあの100万円をそのまま保有し続けていれば、今ごろ4000万円になっていたのに……と胸を痛めています」

 最近では5月中旬、リップルラボ社がロックアップ(発行元が保有するリップルの売却制限)を発表したことをきっかけに価格は30%も高騰。リップルの価格変動は、いまだ止まらない。

◆アルトコインのトレードはアービトラージも有効

 ビットコイン以外の暗号通貨をアルトコイン(オルトコイン)と言い、その数は今や2000を超える。今後の注目株を記事最後に上げたが、トレード法はどうか。

「今、アルトコインは買えばどれも上がる相場です。まずは買って1週間放っておくのも有効です。また暗号通貨は取引所ごとに価格が違うので、安い取引所Aで買って、高い取引所Bで売るという、取引所間の価格差を利用するアービトラージの機会も多く生じています」(高城氏)

「暗号通貨は、何がいきなり爆発するかわからない。CryptoCurrency rankingなどメジャーなランキング上位の通貨をまんべんなく買っておくのも手かもしれません」(Sarah氏)

「バブル」ともいわれる現在の暗号通貨市場、今はまさに買いどきなのか?

「長期的には上がる傾向ですが、基本的に待ったほうがいい。これだけビットコインが普及した今、セキュリティの甘い日本では大規模なハッキング事件がいつ起こってもおかしくない。その際、起こる狼狽売りによってビットコイン価格が急落するタイミングこそ今後、最大の買い場と言えるでしょう」(高城氏)

 仮想通貨は一日に20%、30%も値下がりをし、ときにはヒゲをつけることもある。ボラティリティの高さは生半可ではない。

「為替感覚でやると痛い目に遭うかもしれません。逆に言うと、じっと耐えていれば買いを入れるチャンスは、いくらでもある」(Sarah氏)

◆危機管理の甘さが手痛いトラブルを生む

 有望な投資先がないなかで、熱い注目を浴びる暗号通貨市場。だが、懸念されるのは’14年に起きたマウントゴックス社の取引所停止のような取り付け騒ぎや、盗難・詐欺の可能性だ。

 仮想通貨を購入する際には通常、取引所に口座を開設し、ウォレット(財布)に入れて管理をするが、盗難被害も多く報告されている。

「特にパスワードの使い回しなど利用者側のセキュリティ意識の低さが原因です。ネットワークに接続せず、USBなどで接続する専用端末を用いる『ハードウォレット』と呼ばれるものは、特に高額の運用をする人にオススメですね」(高城氏)

 日々、拡大していく仮想通貨市場。安全性と利便性を確保しつつ、決済と投資の両面で引き続き注目したい。

◆今後注目のアルトコイン5選

・リップル

時価総額:約1兆2480億円

現在の価格:32円

Googleが出資。三菱東京UFJ銀行など世界の大手銀行が利用を検討したことで価格が急騰

・イーサリアム

時価総額:約2兆3800億円

現在の価格:2.8万円

ビットコインの機能を進化させた「ビットコイン2.0」系の代表格。時価総額では第2位

・NEM

時価総額:約2165億円

現在の価格:24円

日本人も開発に携わる。富の再分配を重視した独自の「ハーベスト」により新規コインを発行

・Lisk

時価総額:約160億円

現在の価格:148円

マイクロソフトがパートナーシップを締結。まだ時価総額順位は低いため暴騰への期待大

・ライトコイン

時価総額:約1556億円

現在の価格:3027円

アルトコインの老舗。ビットコインの課題である「セグウィット」を先行して実施した

【高城 泰氏】

ライター。’75年生まれ、早稲田大学卒。FXを中心に株や保険などマネー関連の記事や広告、単行本のプロデュースを手掛ける。近著に『FXらくらくトレード新入門』

【Sarah氏】

専業投資家。外国為替取引で生計を立てるFXトレーダー。’05年アパレル貿易会社退社後、FXに出合う。著書に『わたし、すっぴんジャージで「億」を稼いでます。』がある

【後藤田隼人氏】

インロビ代表取締役。’87年生まれ。法政大学卒。’09年にエルテス入社後、独立。現在はインロビ代表取締役として取引所比較サイト「ビットコインラボ」を運営

取材・文/アケミン 図版/ミューズグラフィック

ハーバー・ビジネス・オンライン