ここから本文です

日中間の貿易収支は日本の大幅赤字、中国依存リスクを要警戒

6/20(火) 17:00配信

マネーポストWEB

 財務省は19日、5月の貿易統計(速報)を発表した。それによれば、輸出金額(円ベース、以下同じ)は+14.9%で、6か月連続、輸入金額は+17.8%で、5か月連続の増加となった。輸出入どちらも好調であるが、輸入の伸びの方が強く、貿易収支は▲2034億円で、4か月ぶりの赤字となった。

 国別の状況をみると、輸出先トップは中国で+23.9%、7か月連続の増加となった。僅差ではあるが、2年9か月ぶりにアメリカを上回っている。品目別に寄与度の大きなものから準に示すと、科学光学機器、半導体等製造装置、自動車部品である。それぞれの伸び率は順に+37.4%、+54.3%、+23.9%。中国関連(日本株)の中では、スマホ部品、半導体製造装置などの機械、自動車部品あたりのセクターで業績が好調だと言えそうだ。

 一部の労働集約型産業が中国から撤退する一方で、スマホ、テレビ、PC、家電製品など今後、IoT(モノのインターネット)分野で主役となりそうな潜在的に成長力の高い製品に関しては、依然として“モノ作り”は健在である。特にスマホについては、アップルの組み立て生産基地が依然として中国であることに加え、この1、2年、華為、OPPO、VIVOなど中国本土系スマホメーカーの生産量が急拡大している。

 また、自動車については、2016年における中国の生産台数は2812万台で世界第1位。第2位アメリカの2.3倍に達している。小型自動車に対する購入税優遇措置が今年から、前年と比べて半減となったことで、生産の伸びが鈍化していたが、5月は少し持ち直し+4.1%となっている。中国は国家戦略として新エネルギー自動車の普及を全面的に推し進めている。製品構成が今後数年で劇的に変化する可能性があり、電気自動車部品関連の日本メーカーには大きなチャンスがあるはずだ。

 今年秋の共産党大会に向けて中国は景気刺激策を打ち出しているといった見方をするメディアもあるが、足元の中国経済は、金融当局が厳しく金融レバレッジの縮小を進めており、金利は上昇傾向にある。景気はどちらかといえば、ブレーキが踏まれている状態である。銀行、保険、証券、不動産業界に対する監督管理が厳しくなっているので、資金が回りにくい。本土株式市場は安定しているが、理財商品、不動産市場などの投機的行動に対する取り締まりは今後、1~2か月の間、厳しい状態が続きそうだ。ただ、投機が沈静化すれば、PPP(官民一体)プロジェクトの拡大を推進力として、景気は持ち直すだろう。

1/2ページ

最終更新:6/20(火) 17:00
マネーポストWEB

記事提供社からのご案内(外部サイト)

マネーポスト

株式会社 小学館

2017年夏号
6月1日発売

定価620円

最新号の総力特集は〈ただならぬ大化け株 総力発掘50〉。「年内株価3倍期待の高成長株10」他、上がる株を一挙大公開。