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坂本龍一とアピチャッポンが審査する「async-短編映画コンペティション」開催!

6/20(火) 12:50配信

WIRED.jp

雑誌『WIRED』日本版VOL.28・ものづくり特集で直撃取材した、8年ぶりの最新スタジオアルバム『async』をリリースした音楽家、坂本龍一。その坂本が、『async』の楽曲を使用した短編映画のコンペティションを開催する。いま坂本が求める映像とは、どのようなものだろうか。

「あまりに好きなので、誰にも聞かせたくない」とまで坂本本人に言わしめた最新アルバム『async』

『WIRED』日本語版VOL.28ものづくり特集では、8年ぶりの最新作『async』で、自身のキャリアが新たなサイクルに入ったと言う音楽家、坂本龍一を特集している。

音楽それ自体の「形式」から離れ、「音」そのものと向き合うことで見えてきた人とものとのより根源的な関係とは何か。『WIRED』日本版編集部は、ニューヨークで行われるライブを控える音楽家・坂本龍一のもとを直撃した。

その坂本が、『async』の楽曲を使った「坂本龍一 | async ー 短編映画コンペティション」の開催を発表した。これは『async』の曲から1~2点を使用した短編映画を募集する試み。審査員は坂本龍一と映画監督のアピチャッポン・ウィーラセタクンが務める。

坂本龍一が広く一般から作品を公募するのは今回が初めてではない。いまとなっては伝説のNHK-FMラジオ「サウンドストリート」では、一般の人からデモテープを募集してオンエアするというコーナーがあり、優秀な作品はオムニバスアルバム『demo tape-1』に収録された。

このコーナーを毎週欠かさず聴いていたのが、若かりしころのテイ・トウワや槇原敬之だった。とくに投稿の常連だったテイ・トウワは、投稿していたデモテープのデザイン性を買われ、全くの無名ながらアルバム『demo tape-1』のジャケットデザインまで手がけた。ラップのデモテープを送ってきた浅野智子は、シングル「Steppin’ Into Asia」に矢野顕子とともに参加した。

当時の坂本ならば、「一流といわれる人」と仕事をするのは容易いことだったはずだが、あえてプロではない人々と交流していたのはなぜだろうか。80年代の「サウンドストリート」から30年経ったいま、坂本龍一は「人・もの・音」と向き合うなかで次のように語る。

「文章書くときでもなんでも、あらかじめこうしようと考えてしまうことがひとつの罠なんです。音楽でもそうなんです。あるモチーフを思いついたとしても、その時点で、その全体像がどういうものになるかは、すぐに予測がついてしまう。

どういう構文で、どういうエピソードが挿入され、だいたい何分くらいの楽曲になるか、すべてが予測できてしまう。つまり、過去に誰かが作った形式に沿って音楽の方向づけがされてしまうんですね。この作品では、そういう『形式』というもの、そのものから離れたかったんです」(『WIRED』日本語版VOL.28より)

音楽の「形式」をすっ飛ばし、予測できないものをつくる「サウンドストリート」の若いクリエイターたちを、坂本龍一は自らの「音楽」の世界に積極的に招き入れた。クリエイティヴを束縛する、あらゆる文法を取り外して生まれる、あなたにしかできない短編映画をつくりだしてほしい。

次に坂本龍一を唸らせるのは誰か。

最終更新:6/20(火) 12:50
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