ここから本文です

完全自動運転の実現はいつ?各社がしのぎを削る自動運転技術の開発最前線

6/20(火) 7:30配信

@DIME

人工知能(AI)技術を搭載したクルマはすでに各社から発売されている。その行きつく先にあるのは「完全自動運転」の世界だ。各社がしのぎを削る自動運転技術開発の最前線をレポートする。

【写真】完全自動運転の実現はいつ?各社がしのぎを削る自動運転技術の開発最前線

 現代のクルマにAIは欠かせないものとなりつつある。特に「運転支援」(自動運転につながる一段階前の技術)は、すでに我々のモータリングライフの安全と効率を支えている。

 具体的には、自動ブレーキや任意の車間距離を一定に保ちながら前車を追走するアクティブクルーズコントロール(ACC)、車線からはみ出さないように警告を発したり、ハンドルを回すレーンキープアシスト(LKA)などが普及し始めている。それらの運転支援技術によって、事故を未然に回避したり、ドライバーの疲労を軽減したり、渋滞を減らすなど、ドライバーだけでなく社会全体が大きな便益を享受している。

◎自動運転車は「走るスマホ」

 これらを司っているのがAIだ。ここ数年の、センシングやデジタル技術の飛躍的な進化がそれを可能にした。今後、より高度な自動運転を実現していくためにはAIのさらなる進化が不可欠だ。これ以外に、パワートレーンの電動化、コネクティビティー、シェアリングなどの進化も重要なファクターになる。

 2017年2月時点で、市販車に搭載された運転支援技術の最先端は、ウインカーを出すだけで隣の車線に自動で移動してくれる「レーンチェンジ」機能だ。現時点でそれが可能なのは、メルセデス・ベンツ『Eクラス』、BMW『5シリーズ』、テスラ『モデルX』。いずれも自動運転の世界では「レベル2」といわれるカテゴリーだ。だが、アウディは2017年中に「レベル3」に対応したセダン『A8』を投入すると宣言しており、ステージが一気に進む可能性がある。

 今後は、複数車線からの合流の自動化や近接走行などが実現されそうだが、これらはまだ高速道路や自動車専用道などに限られており、一般道では次元の異なる高度なAIが必要になってくる。AIによって知的移動物体化していくクルマは、「走るスマホ」になれるのか?

BMW『5シリーズ』の最新モデルは高速道路や自動車専用道を70~180km/hで走行中に、ウインカーレバーを長押しすると自動で安全確認をし車線移動を支援する。

メルセデス・ベンツ『Eクラス』のセダンとステーションワゴンに装備された「アクティブレーンチェンジアシスト」は、ウインカーを2秒以上点滅させると、カメラやレーダーセンサーなどが自動で周囲の安全を確認し車線変更をアシストする。

テスラ『モデルS』で装備されていたオートパイロットのステアリングアシストは『モデルX』(写真)にも採用され、ソフトウェアには最新バージョンが組み込まれている。ウインカーを出すと安全が確認された後に車線変更がアシストされる。

《 未来に向かって加速する各社の自動運転車開発 》

メーカー各社の自動運転技術の開発はどこまで進んでいるのか? 今年1月に米・ラスベガスで開催された「International CES 2017」で各社が発表した最新コンセプトカーと一緒に確認してみよう。

【トヨタ】ある時は見守り、ある時は助け合う「Mobility Teammate Concept」

AIを搭載することで人とクルマがパートナーの関係となる、モビリティー社会の未来像を具現化したコンセプトカー『TOYOTA Concept-愛i』。ドライバーの嗜好に応じた話題や関心の高いニュースをクルマ側から提案する。

ドライバーの表情や動作、覚醒度などをデータ化することや、SNSや行動・会話の履歴によってドライバーの嗜好を推定。「人を理解する」技術と自動運転技術を組み合わせることで、ドライバーを安全・安心に導く。

[編集部が評価]実現性★★ 独創性★★ 期待度★★★

【ホンダ】ソフトバンクグループ傘下のcocoro SBとAI技術を共同開発

AI技術「感情エンジンHANA」を搭載したEVコミューター『Honda NeuV』。ドライバーの表情や声の調子からストレス状況を判断し安全運転のサポートを行なうほか、ライフスタイルや嗜好を学習し状況に応じた提案を行なう。

二輪実験車『Honda Riding Assist』。ライダーが乗っていても乗っていなくても自立でき、バイク自体がバランスを保つことで低速走行時や停止時のふらつき、取り回しの際の転倒リスクを軽減する。

[編集部が評価]実現性★ 独創性★★★ 期待度★★★

【日産】DeNA、マイクロソフト、BOSEなど他社との提携も積極的に展開

NASAのVERVE技術をベースに「シームレス・オートノマス・モビリティ」と呼ばれる革新的なシステムを開発。これは何百万台もの日産車だけでなくすべての自動運転車が、事故、路上の障害など不測の事態に直面した際でもクルマを安全に誘導できる手段を提供するというもの。近い将来、自動運転技術「プロパイロット」を装備した新型『リーフ』も投入される予定。

[編集部が評価]実現性★★★ 独創性★★ 期待度★★★

【メルセデス・ベンツ】NVIDIAと共同開発したAI搭載車両を1年以内に投入

「CES 2017」でNVIDIAのAIを搭載した自動車を共同開発することを発表。「AIがコンピューティングの未来であることは明らか。3年前に始めた開発が実を結び、あと1年で製品化されます」とNVIDIAのジェン・スン・ファンCEOはコメントしている。両社はディープラーニングと人工知能を用いたAIによる自動運転技術だけでなく音声認識など広い範囲で協業を進める計画で、2025年までに10車種以上の電気自動車を発売することを発表。左上の写真は次世代電気自動車『EQ』。

[編集部が評価]実現性★★ 独創性★★ 期待度★★

【アウディ】今年発売される次期『A8』に先進の自動運転技術を搭載

2020年の路上走行実現に向けてNVIDIAと共同で最先端のAI搭載自動車の開発を進めることを発表。「CES 2017」では1つのカメラと1枚のAIコンピューター「DRIVE PX 2」だけでレベル3の自動運転のデモを公開した。

今年発売されるフラッグシップセダン『A8』の次期モデルに、先進の自動運転技術を搭載することを発表。一定の条件下で、ドライバーがクルマにすべての運転操作を委ねることができるという。

[編集部が評価]実現性★★★ 独創性★ 期待度★★

【BMW】「運転中に車内でゆっくり本を読む」がコンセプト!?

「CES 2017」で公開した完全自動運転車のコンセプトモデル『BMW i Inside Future』。これは走れるクルマとしてのプロトタイプではなく、自動運転時代のインテリアの方向性を示したもので、乗員は一切パネルやスイッチなどに触れることなくすべての機能を操作できる。すでに同社は『5シリーズ』の自動運転車のプロトタイプを公開しているが、米インテルとイスラエルMobileyeと共同開発中の自動運転車の実証実験を2017年後半から開始する。

[編集部が評価]実現性★★ 独創性★★★ 期待度★★★

【フォルクスワーゲン】Qualcomm陣営に参画

自動車向け半導体トップのNXP Semiconductorsを買収するQualcommとの提携を発表。5GやセルラーV2Xなどを早期に自動車に導入していく計画だ。

[編集部が評価]実現性★ 独創性★ 期待度★★

【フィアット・クライスラー】自動運転EVコンセプトを公開

フル充電で400km以上の航続距離を実現する電気自動車で、米国規格のレベル3の準完全自動運転が可能なコンセプトカー『ポータル』。Googleと提携。

[編集部が評価]実現性★ 独創性★★ 期待度★★★

【パナソニック】テーマは「車両から移動体リビングへの変革」

完全自動運転社会が到来すると考えられる2025年を想定しそれに適した室内空間を提案。運転席が回転して対面になり、テーブルに4Kタブレット、窓やドアにはプロジェクションマッピングで各種情報が表示される。

[編集部が評価]実現性★ 独創性★★★ 期待度★★★

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:6/20(火) 7:30
@DIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

@DIME

小学館

2017年10月号
8月16日発売

定価600円

売り切れ御免!調理家電&ヒット食品
ふるさと納税 極ウマ返礼品・ベスト47
ホリエモン流 超仕事術公開
タイプ別 痩せるカラダマネジメント