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タワマン火災は倍増傾向!日本のタワーマンションは本当に安全なのか?

6/20(火) 9:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 イギリス・ロンドンの高層マンションで14日未明(日本時間午前9時)に発生した火災は、現時点(19日)までに少なくとも58人の死者が確認され、今後の現場検証次第では、最終的な死者数はさらに増える可能性すらあると報じられている。

 火の手が上がったのは、ロンドンの西部にある24階建て、約120世帯が住むグレンフェル・タワーの2階または4階とみられている。

◆管理会社の不備で火の手が早く上がった

 未曾有の大災害となった今回の火災だが、このマンションには以前から防災の必要性が指摘されていた。さらに、英紙ガーディアンは「昨年まで行われた大規模改修の際、外壁材が2種類の中から、より安価で耐火性が低いものが使用されていた」と、管理会社の不備で火の手が早く上がった、と指摘している。

 下層階で発生した炎は徐々に勢いを増し、上の階へと上っていく。逃げ場を失った住民たちは為す術もなくけむりと炎の中で命を落としていった。その地獄のような最期を思うとなんともやりきれない。

 とはいえ、日本の東京にも、ロンドンのイギリスに負けず劣らず多くのタワーマンションが存在する。同様の悲劇が起こる可能性はないのか?防災対策は万全なのだろうか?

 日本の土地・住宅事情を調べる総務省の「住宅・土地統計調査」によれば、直近の2012年で15階以上の高層住宅は、約85万棟も存在し、年々増加傾向にある。

 また、「東京消防庁火災予防審議会資料」によれば、タワーマンションでの火災件数は2013年を境に倍増しており、とりわけ東京都では10年間で83件もの火災が発生。これは隣接する横浜市や川崎市、千葉市、さいたま市を大きく上回っている。

◆日本のタワマンの火災事例は?

 2011年よりブログ「マンションマニアの住まいカウンター」を運営する、マンション評論家のマンションマニア(@mansionmania)氏に話を聞いた。

「ロンドンのタワーマンション火災にはびっくりしました。犠牲者のことを思うと、心が痛みます。ただし、日本のタワーマンションに関しては、火災の際に火が隣戸などへ燃え移らないように建設されているため、今回のようなことにはなりません。

 実際に日本のタワーマンションでも火災が発生していますが、そのような事態にはなっていません。最近の事例では、今年2月に所沢の31階建てのマンションの15階の部屋から火事が発生しましたが、男女2人が病院に搬送されたのみで、死者は出ませんでした」

 日本のタワーマンションは火災に備えた設計になっているのだ。さらに、それ以外にもさまざまな防火対策が施されているという。

「梯子車が届かない部分にはスプリンクラーが設置されています。その他、防火シャッターなど防災面には力を入れているところが多いです。非常用エレベーターもありますから、火災の際は消防隊員が利用して上階へ向かうこともできます」

◆築年数が高いタワマンは注意が必要

 とはいえ、築年数が高いタワーマンションだったり、分譲マンションの場合は、注意して購入する必要もあるという。

「タワマンというのはそれだけ維持費がかかる建物ということですから、分譲の場合、住んでいる住民がお金を出し合い、スプリンクラーなどの設備を維持していく必要があります。築年数が経過すれば設備の更新も必要でしょう。

 販売時は華やかな良いことばかりアピールしますから、将来のコストについてはあまり考えないかもしれませんが、住んでからお金がかかる建物だということを知らずに購入してしまう方がいるのが問題点でしょうか」

 消防法などの規制が厳しい日本では、今回のロンドンで起こった火災建物のような消防設備の点検不備や開発業者や管理会社の長期にわたる怠慢はないかもしれない。とはいえ、タワーマンション居住者は、日頃の火災消火・避難訓練だけではなく、建物の特性や立地や環境など危険特性に応じた内容を把握しておかねばならないだろう。

<取材・文/HBO取材班>

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