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敵は、小説を蝕む“シミ”!?  水野良最新作は現代ビブリオン・ファンタジー『アカシックリコード』

6/20(火) 17:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 物語を書く人にとって、生み出したキャラクターや世界は自分の一部であり、宝だ。「愛する自分のキャラクターが目の前に現れたら」と考える人も多いだろう。そしてたとえ拙い文章であっても自身にとっては特別で、失いたくないもののはず。これをなかったことにされるというのは、自分の一部を抉り取られるようなものだ。6月15日(木)に電子書籍が配信された『アカシックリコード (Novel 0)』(水野良/KADOKWA)は、そんな誰かの大切な創作物が次々と侵食され、改変されるという謎の現象と戦うことになった者たちの、戦いの物語。

 主人公・片倉彰文は、ある日とある夢によって「大切なもの」を失ってしまった。しかし考えようとすると意識が混濁し、「大切なもの」が何だったのか、正解にたどり着くことができない。そんな中、小説を書くのが好きな彰文の友人・甲斐浩太郎は、いつものように彰文に小説の感想をもらう約束をしていた。浩太郎は、「悪魔の書架」という投稿サイトに小説を投稿しており、彰文は彼の大切な読者でもあるのだ。

 この日も彰文は、浩太郎の新作小説を読み感想を伝えるため、放課後2人で彰文の家にいた。しかし第一話を開こうとした瞬間、異変が起こる。いきなりバンジージャンプで飛ばされたような感覚に襲われ、気がついたら、2人とも本に囲まれた見知らぬ空間にいたのだ。

 そこにいた管理者「本の悪魔」によると、今、多くの物語や作品が“紙魚(シミ)”によって浸食され、作品内の世界が改変され、消滅していっているという。そして浩太郎が初めて書いた作品『レディ・ドラキュラ』もまた、シミに蝕まれていると告げられる。創作者は「作品世界に入り、侵入したシミを除去する」ことができる。浩太郎はそれを知り、完璧なVRのようだと、ごくりと喉を鳴らす。だが、もし作品世界の中で死んでしまえば、現実世界の自分は消滅し、なかったことにされてしまうという、恐ろしいリスクがあることも知らされる。浩太郎はそれを聞き、一時は命を優先すると即決したのだが。そこにいたもう1人の創造者(クリエイター)・鳳かりんに説得され、自身もクリエイターとしてシミと戦うことを決意する。だがそれは、物語のほんの一端で、始まりに過ぎなかった――。

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