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勝利を引き寄せるのは“当たり”助っ人! 外国人補強からみるチーム事情【里崎智也の捕手異論】

6/21(水) 10:00配信

ベースボールチャンネル

 日本球界での経験も豊富なウィリー・モー・ペーニャを緊急補強した千葉ロッテは、開幕から続く低迷から抜けだすことができるのか。本サイトでもおなじみ、里崎智也氏が語る「外国人補強」の内実とは!?(『週刊実話』17年6月1日号より抜粋して掲載。本記事は5月上旬の取材をもとに構成されています)

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■チームの浮沈は外国人の出来次第!?

──ここまでの12球団の戦いぶりをどうご覧になって、どう思われますか?

 楽天が予想以上に頑張っているな、というのが率直な感想ですね。特に楽天は、ペゲーロの2番起用がハマって、中継ぎのハーマンも勝ちパターンとしてしっかり結果を出している。新外国人が“当たり”かどうかがチーム成績に直結するという、ここ最近の顕著な傾向からしても、楽天の好調ぶりは特筆すべきものがあると思います。

──確かに、里崎さんの古巣であるロッテは、オープン戦で“優勝”したにもかかわらず、フタを開けてみれば、頼みの綱だった新外国人のダフィー、パラデスが共倒れ。一時期はチーム打率も驚異の1割台と、稀にみる貧打にあえでいました。

 オープン戦なんてものは、言ってみれば、紅白戦と同じ“調整”の延長。生き残りが懸かっている1.5軍以下の選手は別としても、そこでの結果には、なんの意味もないんです。そもそも、ロッテの外国人2人がそこそこ打っていたのは、ただ単に『打たせてもらった』だけのこと。得意・不得意のデータを取らなきゃいけない相手からしたら、そこで打ってくれないほうが逆に困りますからね。

──なるほど。露呈した弱点を修正できるかどうかが、優良助っ人か否かの分かれ道になるわけですね。

 まぁでも、それを乗り越えられる力が本人にあるかどうかなんて、正直、契約の時点では誰にも分からない。それこそ宝くじみたいなもんだと思います。ピッチャーであれば、ボビー(・バレンタイン)時代のロッテで同僚だったセラフィニみたいにクイック(モーション)が抜群にウマいとか、フィールディングがいいとか、日本で成功するポイントはいくつかありますけど、ことバッターに関しては、その手の前提条件がまったくない。いくら事前にビデオで確認してると言っても、自己PRのためのビデオに全然打てていない場面をわざわざ入れてくるやつはいませんしね(笑)。


■“お試し”補強は、優良助っ人あってこそ

──プロの“眼”をもってしても、出たとこ勝負になってしまうものだと。

 そうですね。世間一般には“当たり”の外国人を獲ってこないと「補強していない」みたいに言われますけど、補強そのものは毎年どの球団もやっている。それがたまたま“外れ”だっただけで獲ってくる側を責めたてるのは、さすがにかわいそうな気はします。そりゃ、外ればっかり獲ってくるようではフロントの責任は免れませんし、もし首脳陣が数いる候補の中から「この選手で」という意思表示をしているなら、当然そこにも責任の一端はあると思いますけどね。

──仮に失敗したとしても、次の一手を打とうと思えば、お金もかかります。

 そうそう。これは一般の企業でも同じだと思いますけど、結局のところ、ない袖は振れないってことなんです。大金を注ぎこんだプロジェクトが失敗したときに、同じだけのバジェットですぐさま「よし次、行こう」って言える会社はそうそうない。ロッテにソフトバンクと同じことをやれ、って言ったって、それは無理な相談ですからね。

──新外国人が機能しているかどうか、という尺度で見てみれば、セ・パ両リーグの現在のチーム状況にも得心がいきますね。

 去年の日本ハムだったら、レアードはホームラン王を獲ったし、メンドーサもそこそこ勝って、バース、マーティンは中継ぎ、抑えでフル回転。広島にしても、打つほうではエルドレッドがいて、ジョンソンは先発の柱で沢村賞。ジャクソンも“方程式”の一角として活躍した。その前年のソフトバンクにも李大浩やバンデンハーク、ヤクルトならバレンティン、バーネットと、投打に核となる外国人が必ずいた。しかも、そういう選手は必然的に長く在籍することにもなるから、その間にプラスアルファでオプションの“補強”を試すこともできるようになるわけです。広島なんかは、今でこそ「助っ人を獲ってくるのがウマい」みたいなイメージですけど、弱かったときは「誰やねん!」みたいな選手、いっぱいいましたからね(笑)。

(取材・文:『週刊実話』)



里崎智也

1976年5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮高)、帝京大学を経て98年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズを逆指名して、入団。03年に78試合ながら打率3割をマークし、レギュラー定着の足がかりをつくる。05年は橋本将との併用ながらも、日本一に貢献。06年にはWBC日本代表として世界一にも輝いた。持ち前の勝負強さで数々の名シーンを演出。00年代の千葉ロッテを牽引した“歌って、踊って、打ちまくる”エンターテイナーとしてファンからも熱烈に支持された。14年限りで現役引退。現在はプロ野球解説者・評論家を務める。

ベースボールチャンネル編集部