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観光農園化で収穫コストゼロ:補助金に頼らない!(最終回) --- 畔柳 茂樹

6/21(水) 17:02配信

アゴラ

観光農園は効率的なシステム

今期も無事オープンした“ブルーベリーファームおかざき”では、連日、実にたくさんの方にブルーベリー狩りを楽しんでいただいています。当園の営業日は1年のうち60日あまり、その間は前職のサラリーマン時代を思い出すような休む間もない忙しさで、10名ほどのパートさんをお願いしています。

しかし、このシーズン以外の9か月半ほどは、私1人がほぼ週1で作業するのみという、週休5日のサイクル。ずいぶんと極端ですが、私はこのメリハリのある生活に非常に満足しています。

この生活を実現するために“生産性向上”を追求してきた経緯を、この連載でお話ししてきました。

連載最後に取り上げるのは、この“観光農園”というシステム自体。これこそが効率的であり、経営者とお客様の双方に数々の恩恵をもたらす、素晴らしいシステムだと実感しています。

約3000時間もの作業時間の削減を実現

というのも、ブルーベリー栽培において、最大のボトルネックは“収穫作業”です。一般的な出荷型のブルーベリー農家では、作業全体の中に占める収穫作業の割合は約60%を占めます。

しかし、観光農園化することによって、この手間のかかる作業をお客様にやっていただくため、収穫作業自体がなくなってしまうのです。

具体的に数字で説明すると、この農園のブルーベリー生産量は、ブルーベリーの樹1本当たりの平均収穫量5kgとすると5kg×1300本=6500kg(6.5t)となります。これを出荷するとなると熟練のパートさんでも1時間に2kg収穫して、良品を選別しパック詰めするのがやっと。6500kgすべてを収穫すると、6500÷2=3250時間必要になります。

これが観光農園を想定すると、この作業はすべてなくなります。私の農園では店頭売りもしているので、その収穫にかかる240時間を差し引いて、約3000時間の作業時間が削減されます。これを労務費に置き換えると、時給900円として900円×3000時間=270万円のコスト削減につながるのです。

さらに、出荷型の場合はブルーベリーの小売価格の30%~40%ほどの価格でしか買い取ってもらえませんが、一方、観光農園の場合は、中間卸業者を一切通さずダイレクトにお客様に販売するので、出荷型の卸売価格の2~3倍で販売することができるわけです。

しかも、この比較は、お持ち帰りを想定した場合ですが、観光農園では、はじめにブルーベリー狩りの食べ放題料金として大人は2000円をいただいているのですから、その収益は出荷型の場合とは比べ物になりません。

また、この農園にはレストスペースとカフェも併設しており、こちらの売上も夏のみで300万円近くにも上ります。

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最終更新:6/21(水) 17:02
アゴラ

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