ここから本文です

東芝の「虎の子」半導体事業会社が海外ファンドに買収された場合の末路とは?

6/21(水) 21:00配信

ダイヤモンド・ザイ

 東芝(6502)の半導体事業が海外ファンドによって買収されようとしています。本連載では前回、日産自動車(7201)と三菱自動車(7211)がフランスのルノーに“食い尽くされる”懸念について取り上げたばかりですが、海外ファンドに買収されてしまうのは外国企業に飲み込まれるよりも「はるかにタチが悪い」のだとか。その理由を投資のプロも愛読しネタ元にしている刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が解説します。

【詳細画像または表】

買収に名乗りをあげているのはいずれも外国企業+海外ファンド連合

 報道によると、東芝が分社化した半導体事業会社の買収に手を上げているのは、ウェスタン・デジタル(米)、ブロードコム(米)、鴻海グループ(台)、SKハイニックス(韓)だけであり、いずれも外国の事業体です。

 これらの事業体は用意できる資金に限界があり、いずれも海外ファンドと共同で入札することになります。今のところ組み合わせが確定しているのはブロードコムとシルバーレイク(米)だけで、どの事業体と組むかはわかりませんがKKR(米)とベインキャピタル(米)が参戦の意向を示しています。

 では、パートナーとなる事業体はともかくとして、KKR、シルバーレイク、ベイン・キャピタル(実力順に並べるとこの順番です)の各ファンドは、東芝の半導体事業を買収してどうするつもりなのでしょう? 

 こうした買収案件のスキームは基本的にどの海外ファンドも変わりませんので、「定石」として説明します。

 仮に買収金額が東芝の要望通り2兆円で決まると、事業体が2割(4000億円)、海外ファンドが8割(1兆6000億円)を出資することになるでしょう。海外ファンドが出資する1兆6000億円のうち、彼ら自身の資金はせいぜい3割程度(4800億円)で、残りの7割(1兆1200億円)は金融機関からの負債(借り入れ)です。この手の案件に資金を貸す金融機関は、一時的な「つなぎ融資」も含めて金利以外にもかなりの手数料を取ります。

 買収の具体的の手順としては、まず事業体と海外ファンドがそれぞれに出資金を出して「特別目的会社(SPC)」を設立し、そこが半導体事業会社の全株式を取得するカタチになります。

 買収後の半導体事業会社の経営は事業体が中心となりますが、大株主はあくまで8割を出資する海外ファンドです。そのため、経営がうまくいかなければ海外ファンドが事業体を「解雇」してしまうこともありえます。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)