ここから本文です

天皇生前退位と改元のプロセス紹介 中国の古典も参考に

6/22(木) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 天皇の生前退位により2019年をもって「平成のおわり」が確実となり、新元号制定の準備が進められている。「改元のプロセス」とは、どのようなものなのか。

「平成が制定されたときの手順を引き継いでいると考えれば、候補はすでにいくつかに絞り込まれているでしょう」(元号に詳しい東京大学特任助教の鈴木洋仁氏)

 元内閣官房副長官・的場順三氏の証言から「平成」制定のプロセスを振り返りつつ、今回の選定について見ていこう。

●候補案を考える「考案者」を総理大臣が選定

 まずは、候補案を練る専門家の選定から始まる。平成を制定するとき、「考案者」を把握していたのは総理大臣、官房長官などといった限られた人物のみ。

「天皇陛下が健在のうちに“崩御の準備”をしていることが公になれば不敬との批判を避けられない。そのため、私が専門家に新元号考案をお願いした際には、部下を連れず一人で九州や京都に出向き、直談判しました」(的場氏)

「考案者」となるのは漢学や東洋史、国文学などの研究者で文化勲章受章者や日本学士院会員クラスの専門家とされる。「平成」制定時は3人が考案者を引き受けた(*)。

【*古典中国文学者で九州大学名誉教授の目加田誠氏、日本文学者で紫綬褒章、文化勲章を受章した市古貞次氏、そして「平成」の名付け親である東洋史学者で東京大学名誉教授の山本達郎氏】

●参考文献は「中国の古典」

 元号は、中国の古い書物を参考に考えるケースが多い。過去は、中国の古典の『書経』や『漢書』などから2文字を選んだ元号がほとんどだ。

 東京大学名誉教授で東洋史が専門の山本達郎氏が考案した「平成」は、前漢の時代に司馬遷によって編纂された『史記』と、中国最古の歴史書『書経』が出典で「国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味が込められている。

「『平成』をはじめ、先生方に心血を注いで考案してもらった候補案は郵便書留で送ってもらった」(的場氏)

 現在、「すでに最高峰の専門家たちが新元号の案を提出し終わっている段階」(鈴木氏)と見られている。

1/2ページ