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年間6000頭、ヌーの大量溺死が川を育んでいた、最新研究

6/22(木) 7:20配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

アフリカ、危険な川渡りで毎年6000頭が溺死

 アフリカの草原を毎年、大移動するヌーの群れ。その大量溺死が、タンザニアとケニアを隔てるマラ川の貴重な栄養源になっていることが判明、学術誌「米国科学アカデミー紀要」に発表された。

【動画】ヌーの群れ、驚異の大移動と大量溺死

大移動の意外な脅威

 ヌーは群れをなし、タンザニアとケニアにまたがるサバンナを、巨大な円を描くようにして移動する。その数は100万頭以上、距離は1600キロに達し、行く手にはワニやライオンといった捕食者たちが待ち構えている。

 しかし、陸上を移動するヌーにとって、意外にも大きな脅威となっているのが溺死。大挙してマラ川を渡る際、多くが流れにさらわれて命を落とすのだ。

 実際、年間でどれくらいのヌーが死んでいるのだろうか。今回、研究者が初めてその数を推定してみたところ、平均で6250頭、重さにすると1100トンにおよぶことがわかった。これはシロナガスクジラ10頭分に匹敵する。

 それだけではない。溺死したヌーの死体は腐敗して、河川の重要な栄養源になっていることも明らかとなった。「大量溺死が起きたとなると、私たちは何もかも放り出して死体を調べるのです」と、今回の研究を率いた米ケアリー生態系研究所のアマンダ・スバルスキー氏は語る。

死体が川に溶け込むまで

 1100トン以上ものヌーの腐乱死体がどのように川の生態系に寄与しているのかを研究しようというのは、大変な作業である。

 スバルスキー氏の研究チームは、溺死したヌーの死体を川から引き上げ、解剖して正確な栄養成分を調べた。また、ワニ対策を施した特製の保護ケージにヌーの体の一部を入れて川に沈めた。皮膚や肉、骨がそれぞれ自然環境の中でどれくらいの時間をかけて腐敗するのかを分析するためだ。

 さらに川の水と魚の化学成分を測定し、ヌーの栄養がどれほどそうした生態系に取り込まれているかも調べた。ワニに食べられる量はほんのわずかであることもわかった。スバルスキー氏は、ワニにも食べられる限界があると説明している。

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