ここから本文です

国際経験豊かな首相の登場でラオスの動きが活発に

6/22(木) 12:00配信

ダイヤモンド・ザイ

 約8カ月のバックパッカー旅行後、2002年からラオスに住み、旅行会社を経てコーディネーターになった森さん。その森さんが企画・原案、プロデューサーとして進めてきた、日本とラオスの合作映画の公開日がいよいよ迫ってきました。昨今のラオスの国際化と映画に込めた思いをレポートします。

【詳細画像または表】

 これまでもレポートしてきたように、2014年から構想を始め昨年ようやく形となった、日本ラオス初の合作映画『ラオス 竜の奇跡』が、6月24日(土)公開される。現在、東京、名古屋、大阪と回り、順次全国ロードショーの予定だ。

 ●関連記事 「日本ラオス初の合作映画『サーイ・ナームライ』がクランクアップ」

 そして、先日、東京駅最寄りの商業施設「KITTE」で映画公開記念プレイベントとして「ラオス博2017」を開催した。地下1階のインドア会場で、ラオス関係者による講演、ライブミュージック、ラオス大使館による本格ラオス料理や1番人気のラオスビール「ビアラオ」などを提供した文化発信型イベントだった。

 来場者は2日間で1万人を超え、盛況で無事終えることができた。正直、ここまで順調に来場者があるとは意外だった。というのも、外国のフェスが盛んな代々木公園ではなく、丸の内エリアで初めてのラオスイベントだったからだ。来場者の中には、ラオスをまったく知らない人も多かったようだ。

 日本でラオス関連の動きが活発だが、ラオス本国の動きも変化してきている。

国際経験豊かな首相の登場

 2016年4月にラオスではトーンルン新首相が誕生し、それまでの体制から一変して矢継ぎ早の改革を実施している。自由な質問形式による自由な記者会見、フェイスブックでの首相動向の発信、木材の不法伐採及び輸出の禁止などなど、これまでの首相が手付かずで残していた問題の解決や税収の確保に取り組んでいる。これらの国民視線の政策はラオス国民の熱烈な支持を集めている。

 こうした動きは、トーンルン首相が外務大臣として諸国を外遊してきた中で培われた国際的な感覚が基本となっているのかもしれない。2016年は2回目となるアセアン議長国を引き受けた年でもあったが、これまでにASEM(アジア欧州会議)など、数々の国際大型会議のホストを経験してきたからか、これまでに比べてかなり余裕の対応がなされていたのではないだろうか。

 ラオスへの国際航空路線の拡張も昨今の著しい発展の一つだろう。現在、直行便が就航しているのは、タイ、ベトナム、カンボジア、シンガポール、マレーシア、中国、そして、韓国だ。韓国との直行便は、毎便満席に近く、多くの韓国人観光客をラオスまで運んでいる。本国に比べ安価なゴルフツアー客が多いというが、芸能人の訪問などでもラオスの露出は韓国で高まっているようだ。

 そして、気になる日本との直行便である。今年3月下旬にラオスのソーンサイ副首相が来日し長崎を訪問した。それは、この夏を目処にしたラオスとの直行便計画に基づいた訪問で、ラオス航空が持つ小さなジャンボジェットだと偏西風の影響があるため、途中給油が必要になる。その給油地として目をつけられたのが、長崎だった(ちなみに、復路はラオスー成田の直行である)。それから、水面下の調整が続いていたようだが、6月初めのトーンルン首相の訪日時に出た発言では、年内の就航を目指したい、と修正されていた。

 年内というのは、現在ラオス政府内で企画が進む「ラオス旅行年2018(Visit Laos Year 2018)」行事の一環としての就航を目指すということになるだろう。ニューヨークタイムズ紙で「今一番行きたい国」に選ばれたラオスは、これまでの東南アジアの内陸国という閉鎖的な立場から、着実に世界へ向けて、ともに歩む姿勢を打ち出してきている。

 とはいえ、ラオスは社会主義国だから、同盟国との協調路線も維持しなければならない。顕著な例として中国や北朝鮮が挙げられる。日本の外務省は、東南アジアで5カ国に囲まれたラオスは地理戦略上重要なパートナーとしている。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)