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季節を超えたダウンウェアの新思考─モンクレール ガム・ブルー

6/23(金) 19:10配信

GQ JAPAN

全身ダウンのセットアップからスタートした春夏コレクション、真の意図は?

店頭のファサード同様、毎回凝った趣向で驚かされるトム・ブラウンがクリエイティブを監修するモンクレール ガム・ブルー。今年1月の2017-18年秋冬コレクションは登山をテーマに、全身登山用ロープとカラビナでボンテージされたモデルが連なって歩く雪山行軍に驚かされたが、今回もミラノのショー会場に着くと会場は一面雪景色。

【写真でみる】モンクレール ガム・ブルー 2018年春夏

春夏コレクションのはずなのに? と思っていると中央に椰子の木とビーチチェアが並んでいる。縦長の会場のちょうど半分が雪景色で、そこから先の半分が雪ではなくてホワイト・サンド、と冬と夏が同居する会場設営だった。

ファーストルックは白のエナメルのダウンジャケットに同素材のダウンのショートパンツ、次のモデルもグレイのダウンジャケットにダウンのパンツ、次もダウンのチェスターコートにダウンのパンツ、インのベストもダウン。ジャケットやコートの背中には大きなプラスティックジッパーが付けられ、パンツも股の部分がジッパーになっている。ムーンブーツのソールにはトリコロールのラインが見える。

やはりこれは雪? しかし春夏シーズン? と、モヤモヤしているとランウェイを一周したモデルは背中の大きなセイラーバッグからウェアと同色同柄のダウン入りのビーチタオルを取り出し、ビーチチェアに広げている。

ギンガムやマドラスチェックのジャケット、パンツのセットアップ。ガム・ブルーのシグネチャーであるトリコロールのアイテムもダウンのセットアップ。インターシャのファージャケットや、ニットベストなどのアイテムがあるものの、ここまで登場した50人のモデルは、ほぼすべてダウンアイテムでのコーディネート。フィナーレ?と思いきやスイムウェアにセイラーバッグのモデルが登場し、先のモデルたちの背中のジッパーを下ろしていく。歌舞伎の後見的役割である。その下から現れたのは、先に着ていたダウンとまったく同色同柄の素材違いのアイテム。上に着ていたダウンアイテムをセイラーバッグに詰め、同じルックの春夏ヴァージョンで再びランウェイを一周。

全体の構成は白とグレイ、トリコロール、ブラックタイの3グループに分かれているが、すべてのコーディネートが同じデザインのアイテム。コットンポプリン、シアサッカーなどとともに、リップストップナイロンやメッシュ、カシミア、ウールも特殊繊維とのテクニカルなオリジナルの素材で提案。撥水、防水など機能性を備えたラグジュアリーなハンドメイドのテーラーリングは、細かなチェックの合わせを見てもため息が出る。

ブーツはビーチサンダルに履き替えられ、ソールには勿論トリコロールのラインが配されている。

“軽やかな季節感の移ろい”がテーマという今回のコレクション。プレフォール、リゾートと年間を通してめまぐるしくコレクションを発表しなければならない現在のファッションシステムへの、トム・ブラウンなりの回答? とうがって見ることも出来るが、地球規模でみれば確かに1年中どこでもスキーもスノボも可能。ダウンブランドのモンクレールだからこそ提案できる、グローバルな思考回路から生まれたプレゼンテーションだったのかもしれない。

Tatsuya Noda

最終更新:6/23(金) 19:10
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