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米国の学校は「フェイクニュースに踊らされないためのリテラシー」を教え始めている

6/23(金) 12:30配信

WIRED.jp

フェイクニュースが蔓延する時代に、教育現場では子どもたちに「ニュースを読むためのリテラシー」を教え始めている。米国のNPO「News Literacy Project」と、フィラデルフィアのある小学校の取り組みを追った。

【潜入、世界を動かした「フェイクニュース」工場】

夏休みの数週間前の、ある晴れた朝のことだ。14歳のイザベル・カタランは、自分のノートパソコンの画面を熱心に見つめながら、最近の学校の課題について説明してくれた。この勉強熱心な中学2年生とわたしは、フィラデルフィア郊外の緑豊かな小さな私立小学校「ノーウッド=フォントボン・アカデミー」の教室に座っている。ここはわたしの母校でもある。

見たところ、学校はわたしが卒業した20年前のままの様子だった。カタランは、わたしが着ていたのと同じポロシャツとチェック柄のスカートを身に付け、同じ青いキャンヴァストートバッグで重い教科書を運んでいる。廊下では、半世紀近くここで働いている高齢の社会科教師とすれ違った。教室の本棚では、ボロボロになった『The Face on the Milk Carton』を見つけた。1999年ころに、わたしも図書館で借りたはずの本だ。

だが、それ以外の点では学校は根本的に変わっていた。くたびれたデスクトップパソコンやプロジェクターは、すべての教室でノートパソコンや大画面の液晶モニターに置き換わっている。当時は電子百科事典の「マイクロソフト・エンカルタ」が主なリサーチツールだったが、現在の生徒は指先だけであらゆる情報(とあらゆる誤った情報)にアクセスできる。

カタランが取り組んでいた課題に話を戻そう。彼女の目の前の画面には、「TrumpsterMarty」というユーザーがつぶやいた拡散目的のツイートが表示されていた。「イスラム教徒はすでに米国から入国禁止にされている! 1952年米国法! リツイート」。それには、1952年の移民国籍法を説明するスクリーンショットが添付されており、政府を「武力、暴力、またはその他の違法な手段によって」転覆しようとしている人の入国を禁止しているとの説明がある。そして「これはまさしく、米国に来るイスラム移民の排除にほかならない」と記されていた。

「このツイートについては少し考える必要がありました」と、ブラウンヘアを背中まで伸ばしたカタランは言う。「これを投稿した人は、リツイートしてほしかっただけなのです。正しい情報だとは思えません」

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最終更新:6/23(金) 12:30
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