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『真夜中のパン屋さん』ついに完結! それぞれが迎えた5年後の「朝」が物語をつなぐ――大沼紀子さんインタビュー【前編】

6/23(金) 11:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 2011年に第1巻が刊行された『真夜中のパン屋さん』、通称「まよパン」シリーズ(大沼紀子/ポプラ社)。13年には滝沢秀明、土屋太鳳、ムロツヨシなど豪華キャスト陣でドラマ化され、さらに読者層を押し広げた同作は、子どもを他人に預けて自由気ままに生きる“カッコウの母”をもつ女子高生が、深夜だけ営業する不思議なパン屋さんに居候する物語。累計140万部を突破する人気シリーズがこのたびついに完結! これを記念して、著者の大沼紀子さんにインタビューを行った。

――第1巻『午前0時のレシピ』の刊行は2011年6月。丸6年をかけての完結ですが、書き終えた今、どんなお気持ちですか?

大沼紀子さん(以下、大沼) ああ、終わったなあ、と。なんていうか、すがすがしい気持ちでいっぱいです(笑)。

――「腹違いの姉がいるからそこへ行け、家の契約も解除したから」と母から置き手紙を残された希美。訪ねた先が深夜営業のパン屋さんでした。たのみの姉・美和子は半年前に亡くなり、その夫・暮林と、パン職人の弘基とともに生活する物語。複雑な人間関係は、希美がついに母と対面した5巻『午前4時の共犯者』で明らかにされ、ついに決着しましたね。

大沼 希美には、思いのほか過酷な環境を強いてしまいました。最初は、ちょっとひねくれた子が人のあたたかさにふれて心を開いていく物語、くらいのつもりだったのですが、彼女を書いていくほどに「これはひどい」と我ながら感じてしまって……(笑)。どうにか幸せになってほしいと思いながら書いていたんですけれど、母親との関係で迎える終着点は決めていたので……最後の最後にまた、苦しい思いをさせてしまいましたね。

――お母さんとの完全な和解を得られない、というのも、最初から決めていたんですか。

大沼 そうですね。死というのはともすると過去を美化に導きがちですが、わだかまりが解消できないまま関係が終わってしまい、わだかまりを抱いたまま生きていかなきゃいけない人生も、わりに多いと思うので、そこは変えたくなかったんです。でも、だからといって残りの人生が不幸になるわけじゃないということも、同時に書きたかった。だから最終巻はその後の話になるだろうということも、比較的早い段階から想定していたので、『4時』から5年後の物語にしました。

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