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J注目の逸材ズラリ 柴崎岳の恩師は弱小校をどう変えたのか 「闘争心の塊であれ」

6/24(土) 10:26配信

THE ANSWER

スペインで活躍中MF柴崎の恩師が高校サッカー界に新風、昌平高・藤島崇之監督

 スペイン1部リーグ昇格を懸けた2部プレーオフで、テネリフェのMF柴崎岳が脚光を浴びている。準決勝第2戦での決勝点に続き、決勝第1戦ではCKのキッカーとして決勝ゴールをおぜん立てした。

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 欧州で旬な男とゆかりある高校が日本にある。現在、埼玉県の高校サッカーをリードする昌平だ。1979年に創設された東和大昌平という校名時代は鳴かず飛ばずで、全国高校選手権予選は決勝トーナメントに1度も進んだことのない弱小だった。

 そんなチームが校名を変更した2007年、藤島崇之監督の着任とともに一変する。この人、前任地の青森山田中では、かの柴崎を指導した指揮官なのだ。

 就任8年目の14年に新人大会で初タイトルを獲得すると、全国高校選手権埼玉大会も制覇。昨年は関東高校大会で3位に入り、全国高校総体予選で初優勝した余勢を駆って本大会でもベスト4入りした。攻撃の重鎮だったMF針谷岳晃が磐田、MF松本泰志が広島へ加入するなど、Jリーグのスカウトも注目する才能豊かな好人材がめじろ押しだ。

 藤島監督の指導方針、チームづくりの基盤はマイボールを丁重に扱うことだ。「失点のきっかけは大半がミスからなので、ボールをしっかり保持できる鍛錬をしています」と述べる。

「ピッチに入ったら闘争心の塊であれ」…下部組織では仕掛けの美学を重視

 鹿島時代の柴崎を見れば合点がいくし、柴崎と青森山田中のチームメートで藤島監督を敬慕して08年に昌平にやって来たMF簗場拓人やMF日野口廉らは、まだ強豪とは言えないチームにあって技術と戦術眼の高さが目を引いたものだ。

 11年9月に完成した人工芝のグラウンドはラグビー部との共有だが、狭いピッチで12対12のポゼッション練習をし、狙いであるボールロストの低下に当たる。

 12年にはFC LAVIDA(ラビーダ)という中学生年代の下部組織を創設。昌平のコーチ陣が指導に当たり、昨年は埼玉県トップリーグと埼玉県ユース(U-15)選手の2冠を獲得した。仕掛けの美学を重視しているのが特長で、2期生で今季の10番を背負うMF渋屋航平は申し子のような選手だ。

 部員は毎年150人前後。昌平にあこがれる中学生も増えた。独フランクフルト移籍合意が発表されたJ1鳥栖のMF鎌田大地の弟、MF大夢も今春入部してきた。元日本代表のFW玉田圭司と同僚だった千葉・習志野高校時代の藤島監督は名ボランチで、全国高校選手権の優秀選手としてベリンツォーナ国際ユース大会にも出場。「攻撃の前にまずは守備。1対1と球際の勝負にこだわり、ピッチに入ったら闘争心の塊であってほしい」と言う。

 鹿島時代の柴崎が昨年12月のクラブワールドカップ決勝で、レアル・マドリードから2得点して世界を驚かせた。中学時代の恩師が指揮を執る昌平もまた、閉塞感のあった埼玉の高校サッカーに新風を吹かせ名門、古豪に刺激を与えている。

河野 正●文 text by Tadashi Kawano

最終更新:6/24(土) 10:49
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