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あの頃これが欲しかった!年賀状や暑中見舞いで大活躍した理想科学工業の『プリントゴッコ』

6/24(土) 11:10配信

@DIME

現代の様にパソコンやスマホの電子メールが普及していなかった時代。

年賀状や、暑中見舞いを郵便で送るのは、毎年の恒例でした。

【写真】あの頃これが欲しかった!年賀状や暑中見舞いで大活躍した理想科学工業の『プリントゴッコ』

沢山の宛先に送るのであれば、それだけ多く葉書を書かなければいけません。

あまりにも量が多くてタイヘンなので、印刷所に出そうにも、当時は今よりも遥かに料金が高額だった為、なかなか一般市民には手が出ませんでした。

…そんな中、これなら庶民にも手が届く!価格帯の印刷機が登場したのです。

それこそが…。1977年に登場した…。年賀状や暑中見舞いの製作に最適!個人向け孔版(こうはん)印刷機「理想科学工業 プリントゴッコ」なのです!

プリントゴッコは、シルクスクリーンやガリ版(謄写版:とうしゃばん)の様に、版に微細な穴を空け、インクが通る部分と通らない部分を作って、圧力をかけて紙に転写する「孔版(こうはん)印刷機」です。

プリントゴッコの印刷方法は実にカンタン。

まずは原稿を描きます。その際、カーボンブラック(炭素)が含まれた筆記用具で描くのがポイントです。

大方の人は、備品として売られていた「理想ペン」を購入した事と思います。

原稿が描き上がったら、次に原版となる「ハイメッシュマスター」を本体にセットします。

次に、専用の「フラッシュランプ(閃光電球。発光材と発火剤、酸素が封入されたガラスのバルブに、電流を流す事で大光量を発する電球。)」を装着したランプハウスを本体にセットします。

そして、プリントゴッコの上蓋を、版と原稿を密接させる様に押し付けると…。電気回路のスイッチが入り、フラッシュランプに電流が流れてピカッと大光量の閃光を発します!

この閃光により、ハイメッシュマスターには原稿の黒く描いた部分のみが転写されて、その部分が網目になります。

後はランプハウスを取り外し、版の上にインクを乗せて、今まで原稿を置いていた部分に印刷対象となる用紙(葉書など)を乗せ換えて、再度蓋を押し付けると…。

網目の部分をインクが通過するので、印刷が可能になる、という訳です。

カンタンな操作で多量に印刷が出来るという事で、「こりゃあ便利だ!」と大評判となり、プリントゴッコは大ヒットとなりました。

特に現代の様に、「いらすとや」さんも居なかった時代…。

イラスト原稿の素として利用が出来る、素材集が多く発売されて、人気を博しました。

さて、この時、当初の年賀状や暑中見舞いの用途だけではなく、もっと別の用途に最適だ、という事に気が付いた人達が居ました。

アマチュア無線家達です。

アマチュア無線の世界では、QSLカード(交信した事を証明する為に、お互いに発行する葉書大の交信証明書)をQSO(交信)した件数毎に用意する必要があります。

沢山交信したのであれば、交信証明書を大量に発行しなければいけません。

しかし、手書きで作るのは大変だし、印刷所で印刷するには莫大なお金がかかります。プリントゴッコは、そんなHAM(アマチュア無線家)達の要望に応える商品となったのです。

早速、理想科学工業も、1990年に「アマチュア無線家のためのQSLカード自作カット集」を発売しました。当時としては、HAM関連のイラスト素材集としては、唯一無比の商品ではなかったか、と思います。たぶん。

…あれ?此処に載っているイラストだけど…?右上のカットに何だか既視感が…。

…何だか何処かで見た事が有る様な…?

これって…もしかして…?

…そうです。わたしです。

実は当時、僭越ながら、電波新聞社刊の電子工作(エレホビー)雑誌「ラジオの製作」誌に、拙作の電子工作学習マンガやデジねた記事を載せて頂いた時期があったのですが…。

当時は、アマチュア無線に関するイラストを、監修無しで描ける人間が「あまり」居なかった様だったので、ワタクシの様な若輩者にもお声がかかった、という訳です。

ちなみに、現時点で唯一の、パソコン雑誌、電子工作雑誌以外でイラスト単体でお金を頂けたお仕事であります。これっきりイラスト単体のお仕事は御座いません。

まぁ…。所詮、あらゆるマンガメディアに全力で掲載を拒否された、画力が5段階評価の2(某漫画サイトの査定)の漫画描きなので…( ;∀;)

…その後プリントゴッコは写真印刷や布印刷にも対応する様になり、累計売上台数は全世界で1050万台を誇るまでになりました。

しかしそれから、パソコンとプリンターが安価で普及する様になり、また、年賀状自身の需要も激減した事から、2012年にプリントゴッコ関連事業は終了する事となりました。ざんねん!

年賀状や暑中見舞いに最適!個人向け孔版(こうはん)印刷機「理想科学工業 プリントゴッコ」。
家庭用の安価で簡易な印刷機の先駆けとして今でも燦然と輝いているのです…。

※記事中の情報は、記事執筆調査時点のものとなります。
※本記事は、あくまでも筆者の微かな記憶と主観に基づき、飛躍した表現によるエッセイであり、特定メーカーや機種等を貶める意図はございません。
※本記事に登場する、漫画のキャラクターはフィクションです。

文/FURU

@DIME編集部

最終更新:6/24(土) 11:10
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