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【Kazuquoママの銀座の夜話】伝えるということが難しい時代

6/24(土) 18:10配信

@DIME

銀座六丁目のとあるビル。多くの名士が集まる会員制バー「銀座ルーム」で夜な夜な繰り広げられる人間模様から、男子と女子の二つの感性の間で感じた夜の戸惑いからひらめく助言とエールを綴ったエッセイです。

 忖度(そんたく)という言葉をよく耳にする今日この頃。まだまだ知らない日本語がたくさんあるなあと感心させられました。銀座ルームで知り合ったお客様同し、仲の良い時ばかりではありません。そりゃ人間同しですから、意見の食い違いや多少の言い合いもあるでしょう。たまにはこんなことも。

「ママ、実はさ、この前○○さんが、○○してて、でもそれが間違ってて・・・」的な今日は来店していない○○さんをネタに笑い話になっていました。まっ、面白い出来事だったのですが、捉え方を変えれば、仲間外れを助長するような空気にも感じられなくはなかったのです。

「ねえ、それで、○○さんにそのことを注意してあげたの?」

「えっ、そんなこと言えないよー」

「どうして?それじゃ、○○さんが陰で笑い者になっちゃうじゃない。タイミングを見計らって、そっと注意してあげたら親切だと思うわ。この店では、本人に直接言えないことは棺桶まで持っていってほしいの」

 この人も決して○○さんを小馬鹿にしているつもりはないのかもしれないし、自分のことを棚にあげてと逆に避難されるのではないかと躊躇してしまう気持ちもわかります。人に意見をする、アドバイスをする、注意をする、まっ、なんでもいいのですが、人に物を申すということがいけないような雰囲気の時代な感じが私は気がかりなのです。

 私の記事を読んで、様々な意見を持たれることでしょう。匿名だと様々なご意見をネット上に寄せてくださるのですが、名前を名乗り面と向かって意見を伝えてくださる方はそう多くはありません。私だって、他者からの意見は勉強にもなりますし、ありがたいと思うことも多々あります。

 ただ、私は決して反論することはしません。それは、どんな意見も正しいと私は思うからです。いろんな意見があって当然です。ご指摘の通りだなあと思えば、参考にさせてもらいより良い自分になれるよう努力もできるわけですし。自分の浅はかさを思い知らされもします。なので、わたしも出来る限り自分の意見は言うようにしていまが、最後に「○○○○と私は思います」と自分の意見であることを明確にお伝えするように努力しています。

「忖度する」

 忖度って、相手の気持ちを推し量ること……。読み方も解釈も今ひとつ私には難しいのだけど、心から湧き上がる意見、言葉、思いを押し殺してまでするようなことが忖度というのであれば、それは自分を粗末にしているのでは?と私は思うのです。

 私は子供のころ、よく「おせっかい焼き」だと友達から言われていました。思ったことを口にしすぎて、揉めたこともたくさんあります。ただ、周りの人々が「それを言うなら、こういう言い方がいいと思う」とか「どうしてこのタイミングでそういうことを言うの」など指導してくださる人もいて、人へ自分の意思や意見を伝える方法が向上したり、人に伝わりやすい言葉が増えていったりしてきたと感じています。

 おせっかいも、人への興味と愛があればこその行為。空気を読みすぎて、物を申すトレーニングが不足し「伝える」が苦手なままでは、何かと困ることも起こるでしょう。もし、あなたが人を指導する立場になったとき、人の欠点さえも指摘し、改善をサポートしなくてはなりません。そんなときに、人に伝える方法が長けていたほうがお互いハッピーになるような気がしませんか?

 今回、いただいたこの連載の機会も、記事へのご意見から、なるほど、読み手はこんな風に受け取るんだなとか、この言い回しで人を傷つけてしまったなあなど、たくさんの反省点が見え、まだまだ改善していかなくてはならないことが見えました。自分の未熟さを詫びるばかり……。

「空気を読む」「忖度する」。幼きころから、そういった空気に慣れてしまうと、人に意見や意思を伝え、相互理解するという方法に対する訓練がなされないまま大人になってしまう恐れがあるのではないでしょうか? ネット上のご意見を見ると、バカとかカス、○○しろ!など、いろいろな厳しい言葉が並びます。

 ただ、同じことを伝えるのであってももっと別な言葉を使ったほうが本意がスムーズに伝わると思うのです。ご意見を書いてくださった方も、きっと実際にお会いしたら、言葉を選んで私に丁寧に意見すると思うのです。てなことを言っている私も、ちょっと偉そうに書きすぎましたね。ご指摘の通り反省します。なので、今回は少し記事の表現を変えてみました。いかがでしょう?

 人との出会いが、一番人生を変化させると私は思っています。もちろん、嫌な人との出会いもありますが、嫌だなと思う人でも、少なからず自分自身に影響を与えるものです。なので、この人素敵だなあ、お友達になりたいという人と出会ったときに、活字だけではなく、表情、言葉、声色、考え方など様々な伝達ツールを駆使して、自分を理解してもらえたら、きっとよい関係で長くお付き合いできるのではないかなと思いますし、人生が盛り上がると私は期待しています。

 私も自分自身の思いを言葉で表現し、人に理解してもらう努力をしてきましたし、今もしています。結果、私も多くの人に導いていただき、ゲイであることをカミングアウトできましたし、銀座でお店をすることにもなりました。

「人に惚れ、人に酔う」。以前何かの本で出会ったフレーズです。等身大の自分で生きることはそう簡単ではないと思いますが、私なりに等身大の自分になる道のりを1冊の本にまとめました。持って生まれた自分自身という財産を大切に生きましょうよ!という思いを込めて書きました。

「なんだ!結局自分の本の宣伝かよ!」と思う方もいらっしゃると思います。まっ、その通りなんですが……。自分を理解してもらいたいのであれば、自分の思いや意見を明確に伝えて生きてみたら、私の場合は結構うまくいきました。と、自分らしく生きたいと思い悩む人への参考事例として読んでいただけたら幸いです。ご精読ありがとうございました。

文/Kazuquo

@DIME編集部

最終更新:6/24(土) 18:10
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