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「中原中也」披露宴の旅館が“潰れっちまった” ファン聖地

6/24(土) 5:57配信

デイリー新潮

 幾時代かがありまして、負債が3億2000万――。

 山口市湯田温泉の旅館業「湯田温泉西村屋」が、破産した。この地出身の詩人・中原中也とのゆかりがある1906年創業の老舗が“潰れっちまった”ことで、地元は“悲しみ”に包まれているのだ。

 旅館関係者の話。

「90年代の最盛期には、売り上げは年間4億ほどあったんですが、施設の老朽化や観光客の減少で、2億を割るようになり、業績は悪化。資金繰りが苦しくなり、先月21日には営業を停止していました」

 今月に入って正式に破産手続きが開始された次第。

 中也とこの旅館の“縁”を、中原中也記念館館長の中原豊氏(血縁関係はなし)が語る。

「中也が生まれたのは、この旅館の近所にあった中原医院。もともと家同士での付き合いがあったようです。定宿にしていたわけではありません」

 33年12月、中也は、この旅館の葵の間にて、遠縁にあたる女性と披露宴を挙げた。

「宴は三日三晩行われ、大盛況だったそうです。なにかと不幸なイメージがつきまとう中也の短い人生の中で、数少ないおめでたいエピソードが詰まった場所として、この旅館はファンの間でも特に人気の“聖地”のひとつ。披露宴で供された料理をアレンジしたご膳も好評でした。ちなみにこの宿、種田山頭火もよく利用していたそうです」(同)

 先の関係者が続ける。

「今後は、同じ湯田温泉の別のホテル会社が経営を引き継ぐことになり、9月に営業を再開する予定です。それに向けて、現在大幅なリニューアル工事中ですが、葵の間だけは、現在のところ存続の方針だそうです」

 綺麗になっちまった老舗宿に、客は再び集まるか。

「週刊新潮」2017年6月22日号 掲載

新潮社

最終更新:6/24(土) 5:57
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