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過熱状態のタイの不動産投資、超人気エリア以外の穴場はここだ!

6/25(日) 16:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 2010年ごろからバンコクは急激に発展し、東南アジアの中心的な存在になった。一時期は政情不安や洪水などの自然災害のほか、発展による賃金高騰で日系企業はタイに拠点を集中させることに不安を感じタイ・プラスワンのムーブメントも起きたが、結局タイを超える投資候補地はいまだない。諸外国もタイを投資先として見据えるのでタイ人の就職先は数多にあり、失業率は2011年から1%を切っている状態が続く。一説ではタイはこれまでにない長い不況に入っているという人もいるが、見た目の景気は非常にいい。

 そんなこともあって、不動産投資熱が止まらない。コンドミニアム(マンション)やオフィスビルが乱立し、バンコクは上に上にと伸びている。バンコク中心では高層コンドミニアムの坪単価が約170万円以上という物件もある。飛ぶように売れていて、モデルルームが完成する前に完売することもある。そんな不動産売買に目をつける日本人ビジネスマンや投資家も少なくない。

 ただ、落とし穴もある。バンコクで不動産仲介会社を経営するある日本人はこう語る。

「コンドミニアムの投資ではエリアを外すと利益を得られるどころか損失に繋がります」

◆バンコクの一押しエリアは?

 バンコクでコンドミニアムを資産運用として利用する場合、転売で利益を得るか、家賃収入を目的とする。価格が高騰している今、家賃収入よりは売却利益を狙って投資する人が多い。ただ、いずれの場合も人気エリア以外の物件は要注意なのだそうだ。

 自分で住む、あるいはタイ人相手に薄利で売却するのなら売れ筋エリアを外してもいい。少額資金しかないタイ人はエリアにこだわらずに投資するが、外国人投資家はタイへの外貨送金手数料などコストが購入時にかかっているわけで、それなりの利益率がほしい。そうなると、どこでもいいというわけにはいかない。

 バンコクの不動産売買で確実に利益をあげられるエリアは高架電車スカイトレインが走るスクムビット通りの一部しかない。自分の住まいとして購入したり、老後移住のために買っておき、それまでは賃貸で安く出すというのならいいが、転売は人気エリア以外では購入額を超える高値がつきにくい。そもそも人気のエリアでも、ひとつ路地が違えばそれだけでまったく価値が変わってくるのだ。そのため、人気エリアの新築物件はハイパー富裕層でしか手が出せないほどの高騰ぶりを見せている。

 では、タイで不動産投資はもうおもしろみがないのかというとそうでもない。本質的な景気のよしあしは別にして、タイ人はとにかくカネを遣いまくる傾向にある。金回りがいいので、見方を変えればおいしいところはまだまだ残されている。

◆狙いはランドバンキング

 コンドミニアムは住宅だから中心地の価値が高くなるのは必然だ。それであれば逆の発想で住宅ではない物件ならばバンコクの中心を外してもいいのではないか。タイで日本人向けに資産運用コンサルタントをしている佐々木扶美(※以前佐々木さんが登場した記事)さんに話を聞いてみた。

「以前記事にしていただいたミャンマーと国境を接するカンチャナブリ県ではベトナム・ブンタウを起点にした『南部経済回廊』の建設が着々と進んでいます。タイ政府も力を入れているので、これから沿線は発展しますよ」

 未開発の土地を取得し、開発によって地価が上がったところで売却益を得るランドバンキングはまだ狙い目なのだ。例えば、タイ北部のミャンマー国境に近いチェンダオという地域も国境ゲートができるという噂が立ったことで地価が急騰しているという。現地はまだ外国人投資家はほとんどおらず、タイ人投資家や富裕層が土地を買い漁っている。

 佐々木さんによれば「アセアン統合ですでに東南アジア内の物や人の行き来が盛んになっています」とのことで、これから国境地域の開発もかなり進むと見られる。

 ただ、バンコク同様に他県の不動産売買にも落とし穴がある。

◆タイのランドバンキングの落とし穴

 バンコク同様に他県の不動産売買にも落とし穴がある。投資先が土地そのものであることが多いし、特にそちらは日本人の不動産仲介業者がほとんどないので、日本人投資家には不利になるのだ。

「タイにも借地権がありますし、いい土地をみつけるには地元の村長と懇意になるなど、バンコクと違ったコツや注意点があります。タイに詳しくなく、タイ語ができないと騙されてしまうこともあるので容易ではありません」(佐々木さん)

 他県は土地が安くてもバンコクとは違った危なさがあるのだ。そういったときにはやはり佐々木さんのように間に立ってくれる人は貴重だ。タイで不動産投資を成功させるのは投資物件よりも人との出会いが重要なのだ。

◆悪質な仲介業者も

 優良な仲介業者であれば、現地の事情や法令に詳しく、包み隠さず丁寧に情報を教えてくれる。「このエリアは買っても売れない」といったストレートなアドバイスをしっかりくれるのだ。

 しかし、不誠実な業者もいる。日本人経営でも法人登記していない個人事務所やタイ人の不動産仲介会社だ。その中の一部の人は悪質なほどのウソを吐いてまでひどい物件を買わせようとすることもある。最初から売れないことを知りながらも「確実に利益が出ます」と押し通して買わせ、あとは知らんぷりを決め込むのである。

 特に他県の未開発地購入となるとハードルは一層高くなる。優良な日本人向け仲介業者を見極めるのはなにより重要なのだ。

◆日本人投資家向けのファンドも

 また、佐々木さん自身もバンコク郊外で日本人投資家向けにプロジェクトを仕掛けている。「絆」をコンセプトにしたホームオフィス開発のファンド「アセアン・プロパティー・ファンド」(以下APF)だ。

「バンコク郊外のコンドミニアムも価格が上がりすぎて、土地から所有できて建面積も大きいホームオフィスの方が割安感が出ています」

 熊本県庁と提携し、熊本県から建設資材を取り寄せ、日本式の和室を導入する予定だという。

 プロジェクトの開発エリアはバンコク郊外のノンタブリ県で、近年は日本の技術が投入された高架電車路線パープルラインや、首都高の新道路が2016年に相次いで開通しており、郊外といえど利便性が高い。このエリアもあと数年もかからずにバンコクの一部といっていいほど発展した場所になると見込まれる。

「タイ経済は今後益々発展していく見込みですし、タイは不動産の資産価値が景気にあまり左右されない傾向にあり、不動産での運用は堅実です」(佐々木さん)

<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NatureNENEAM)取材協力/佐々木扶美(SRCSインターナショナル株式会社)>

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最終更新:6/25(日) 16:23
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