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10代目R34スカイラインがアピールした「BMWか、メルセデスか、新しいスカイラインか」とは!?【スカイライン60周年記念】

6/25(日) 19:33配信

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グランドツーリングカーとしての実用性と快適性を高めたR33スカイラインでしたが、地味なマスクと大柄ボディ、ロングホイールベースなどのために、スポーツ度が物足りないという評価が定着してしまいました。

そこで10代目R34スカイラインが目指したのは、R32が備えていたスポーツ性能への原点回帰。高剛性ボディで更なる進化を果たすとともに、R32の弱点である居住性を改善するべく開発が進められました。

また気合も半端ではなく、ティザーキャンペーンでは「BMW か、メルセデスか、新しいスカイラインか」と強くアピール。当時のTV-CMをネット動画で見てみると、ドイツ車との比較でポテンシャルの高さを訴求しようとしていることが伺えます。



1998年に登場したR34スカイラインは、4ドアセダンと2ドアクーペを設定。ホイールベースを55mm短縮して取り回しを改善。またパッケージングを工夫して、R33と同等の後席居住性を確保しました。

そしてR34スカイラインの新たな武器が、キャッチコピーの「ドライビングボディ」でした。ボディ剛性を徹底的に強化することで4輪マルチリンクサスの性能を引き出し、スポーツ性能のレベルアップを実現。「ボディは力だ」という硬派なTV-CMのセリフは、今でも印象に残っています。

エンジンは全て直6・RB型のDOHCで、2Lのリーンバーンと2.5L、そして2.5Lターボの3種類を搭載。2.5Lターボは自主規制上限の280psに到達。また4WSの電動スーパーハイキャスは、レスポンスと精密制御を両立しました。

ただセダンとクーペともにフロントマスクが地味だったため、せっかくの高性能がデザイン面で訴求できていなかったのは残念なところ。またバブル崩壊のために、国民は資産も余裕も目減りする一方でしたから、販売面でも苦戦を強いられました。

始まりがあれば終わりもあるのが、世の常。円熟の域に達した名機RB26DETTを搭載し、迫力あるフロントマスクの2ドアボディをまとったR34スカイラインGT-Rは、少し遅れて登場。スカイラインとしては最強にして最後のGT-Rとなりました。

特にR34GT-Rは、チューニングの世界でも名を馳せ、自主規制の数倍ものパワーを発揮する「公道モンスターマシン」として君臨。ただ簡単にパワーが上がりすぎたため、現行GT-Rの開発の際には、お役人からチューニング幅を制限するよう指導が入ったと聞き及んでいます。



一方、日産の企業経営は悪化の一途をたどり、1999年に日産はルノーから出資を受け入れ、ルノーの傘下に入りました。R34スカイラインは販売を継続したものの、約3年という短いライフで生産を終えたのです。

ちなみにR34スカイラインがどういうクルマなのかは、現在の中古価格を見ればわかります。R34GT-Rはもちろんのこと、標準仕様でも高い値札にビックリ。硬派なアイデンティティと高いスポーツ性能、そしてファミリーでも不便のないユーティリティが根強い人気に繋がっているのだと思います。

そしてルノー傘下となった日産では、ゴーン社長(当時)のコミットメント経営による大規模な建て直しが始まるのです。

(星崎 俊浩)

最終更新:6/25(日) 19:33
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